マイナス60度の超低温で作った「マグロの冷凍にぎり寿司」…カニに代わる新名物になるか 開発する男性の思い

京都新聞社 京都新聞社

 日本海を回遊するクロマグロを冬場のズワイガニに代わる丹後の観光資源にしようと、食品開発を手掛ける京都府京丹後市弥栄町の男性が、マグロを使った冷凍にぎり寿司(ずし)の開発に取り組んでいる。

 眼鏡店経営の傍ら地元にちなんだ食品を開発、販売する「うめや本舗」(同市弥栄町溝谷)の梅田肇さん(66)。趣味の釣りを生かして、アオリイカやブリの専用しょうゆ、府内産サワラを活用したサワラずしなどを開発したり、市内の民宿などと連携して観光客向けイベント「ピチピチにぎり寿司体験プラン」を企画している。

 「冬場の数カ月と短い、府北部で水揚げされる脂ののった旬のマグロを有効活用し、多くの人に味わってもらえる商品を」と冷凍にぎり寿司の開発を始めた。

 マグロは血抜きや神経抜きの処理をして解体する。切り分けた赤身や脂身を、シャリ(酢飯)にのせ、肉質を損なわない特殊な凍結処理を施した後、マイナス60度の超低温冷凍庫で凍らせて「冷凍にぎり寿司」にする。1時間半ほど常温解凍させることで食べごろになるという。

 梅田さんは「冷凍にぎり寿司に加工することで、旬のマグロを年間通じて提供でき、味わってもらえる」と話す。

 現在、比較的入手しやすいとされる新潟県近海など他地域産のマグロを使って冷凍マグロの試作を重ねている。今年11月にネット通販で販売する予定。「府内産マグロは漁獲量が少なく、希少価値がある。今後は府内産マグロの割合を増やし、『京都の魚』のブランドをアピールしていきたい。地元の旅館や料理店に、新事業展開のヒントにしてもらえればうれしい」と話している。

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