秋田県の「男鹿水族館GAO」で人気のホッキョクグマ、フブキ(1歳オス)の成長を記した写真集が発売され、読み応えがある内容が話題になっています。「かわいい」という感想はもちろん、レビューやSNSのコメントでは、「見てきた動画の裏側が分かった」「スタッフのみなさんの努力と愛情を感じた」「ボリュームたっぷり」「じっくり読める構成、内容」「クルミ、ミルクのページもあり胸が熱くなりました」などの声が並んでいます。
「しろくまフブキ~GAOでうまれたホッキョクグマ~2とうめ!」。同館で2020年12月に誕生したフブキの成長、母親ユキの子育ての様子、父親の豪太や、関わりのある他施設のホッキョクグマも登場。人気沸騰のきっかけとなったYouTubeでの「ほぼ毎日の動画配信」の裏側を綴ったコラムなど盛りだくさん。誕生から産室での様子、展示場デビューなど、動画で見守ってきた多くの人にとって、その時どきの「実は…」が満載で、写真集のわりに(?)読むところが多く、発売2カ月間で約1500部がファンの手に。制作を担当した同館の広報担当者に聞きました。
—読み応えがあると好評です
「ユキ・フブキの親子模様を通して、『見て楽しい』はもちろん、ホッキョクグマの出産・子育て、今、野生のホッキョクグマが置かれている状況などについて、少しでも知っていただき、考えるきっかけになればとの思いをこめました」
—タイトルに「2とうめ!」とあります
「フブキ誕生をきっかけに当館を知っていただいた方が本当に多くいらっしゃったようで、同じく当館で生まれ、現在は釧路市動物園にいる『1とうめ!』のミルク(2012年12月生まれ、メス)と姉弟であることをご存知ない方も。そこで、当館のホッキョクグマを知っていただくのと同時に、ミルクからフブキへと繋がった命、それがこれからも続くようにという願いから、このタイトルになりました」
—「初泳ぎ」のコーナーもありました
「ホッキョクグマは、はじめから泳げるわけではなく、練習を繰り返すことで上手くなり、これが成長の一つの指標にもなります。また、フブキが泳げるようになるまで、母親ユキの関わり方、見守り方には非常に興味深いものがありましたので、写真集の中でもより深く触れていきたいと思いました」
――ほかに注目してほしいポイントは?
「ぜひここも見てほしいと思うのは、『フブキの同級生』のページです。2020年、2021年(上旬)生まれの仲間たちを紹介しています。GAOにはホッキョクグマのほかにも、こんな生き物がいるんだな~と知ってもらえれば嬉しいです」
また、写真集には一般の来館者から募集した写真もたっぷり掲載されています。
同館はフブキ1歳の誕生日を前に写真集をつくる計画を公表し、「コロナ禍の影響でスタッフが写真撮影する機会が減り、十分な素材が集まらない可能性がある」とし、写真募集を発表。Twitterなどで「#ホッキョクグマフブキ写真集」とタグ付けした投稿が連なったのです。
「SNS投稿から1000枚以上、さらにUSB等の記録媒体や、専用フォームでの応募もいただきました」とのこと。「スタッフが撮りためた写真と、お客さまからの写真、想定を超える数が集まったため、選定することになってしまって…」と担当者。
「お客さま視点で撮影された写真はどれも素敵で、『これいいな~』『やっぱりこっちもいいな~』と、とても悩みました。どんな想いでこの写真を選んでくださったのか、この写真の一番のポイントは何だろうと、考えながら写真を見た時間はとても楽しいものでした。おかげさまでとても読み応えのある写真集になったのだと思います」
写真集は2000円(税込)。館内ショップまたはオンラインストアで購入可能。https://www.gao-aqua.jp/