「人も動物も暑い日に行き着く先は同じ」と、アルパカが涼を取りに来たのは扇風機の前。その姿は私たちが知っている、モフモフのアルパカとはちょっと違うような……。そよそよと揺れる毛に、つぶらな瞳でこちらを見ているのは、「市川市動植物園」(千葉県市川市)のメスのアルパカ、マシュ。
同園の公式ツイッター(@ichikawa_zoo)には、「マシュちゃんのフワフワがなびいてる~」「そよそよは気持ちいい」「みているだけで涼しくなれます」と動画のかわいらしさに癒される人や、「私も、好きな場所♡」「これ今現在のわしやないか(髪型も)」と共感するコメントも寄せられました。涼しげなこの動画について、担当飼育員さんに聞きました。
風が気持ちいい?
ーーこの扇風機は、どこに設置されているのでしょうか。
夜間過ごす部屋の中に設置して、日中過ごしている放飼場にむけて風を送っています。放飼場に置いてしまうと、アルパカが足をコードに引っ掛けてしまうなど、事故の原因となりますので、扇風機本体はアルパカが自由に出入りできない場所に設置しています。
ーー気持ちよさそうに風に当たっていますが、やはり風が心地よいのでしょうか。
気持ちいいのかは、アルパカに聞いてみないとわかりません(笑)。でも暑い日は、よくあたりに来ているので、心地良いのだと思います。
ーー後ろに別のアルパカ(オハギ)が控えていますが、やはり扇風機は人気なのでしょうか?
当園には6頭のアルパカがいますが、オハギとマシュが扇風機をよく近くで使っているような気がします。
ーー扇風機近くの場所取りで、ケンカになりませんか?
扇風機の風に近くであたるのが好きなコと、少し離れたところで風を感じるぐらいが好きなコがいます。それぞれ好きな距離感で風にあたっているので、ケンカは見たことがありません。
シュールな姿にくぎ付け!
動画では、マシュちゃんの頭の毛はそよそよとなびきますが、首から下はモコモコヘアがカットされてスッキリとしています。
ーーところで、マシュちゃんのこのスタイルは、夏仕様なのでしょうか。
サマーカットです。思っていたよりアルパカが細いので、お客様はびっくりしていますね。毛刈りは、本格的に暑くなる前の5月か6月に行います。今年は6月13日に行いました。頭やひざの毛は残しても夏場の体調に影響がないため、こんな姿になっています。
ーーアルパカは、暑さに弱いのでしょうか?
アルパカは涼しく乾燥した地域に住んでいる動物なので暑さは苦手です。品種改良によって、毛が勝手に生え変わらないようになっているため、本格的に暑くなる前に熱中症対策として、毛刈りを行うのです。
ーーサマーカットのほかには、どんな暑さ対策をしているのでしょうか。
夜間過ごす部屋にクーラーを設置して温度管理をしたり、日中は足元や腹部に水浴びをさせるなどしています。
甘え上手で、おっとりとした性格だというマシュちゃん。飼育員さん曰く「つぶらな瞳で、とにかく顔がかわいい!」うれしいときは、尻尾をあげて近づいてくるなど感情も豊かなのだとか。まったりと風を楽しむ姿は、見ているだけで癒されます。暑さが苦手というアルパカですが、扇風機とサマーカットで、快適に夏を過ごして欲しいものですね。
「市川市動植物園」
住所:千葉県市川市大町284番1外
電話:047-338-1960(動物園)
公式ホームページ:https://www.city.ichikawa.lg.jp/zoo
公式Twitter(@ichikawa_zoo):https://twitter.com/ichikawa_zoo