100人のハゲヅラとメガネ、白衣の「博士」が街を行く! 姫路をジャックした彼らの正体は?

國松 珠実 國松 珠実

晴天に恵まれた7月2日、兵庫県のJR姫路駅前に、白衣にハゲのかつらとメガネを装着したナゾの集団が現れた。その集団は、姫路城の方へ商店街を行進。いい大人が、まるでアニメに登場する「博士」に変装して白昼堂々、道行く人に手を振りながら街を練り歩く様子に、振り返る人や、見て見ぬふりをする人……。女子高生からは、キャーと悲鳴とも歓声ともつかない声が上がった。彼らはいったい、何者だったのか。

この集団、やっぱりただものじゃなかった

彼らは「感動会社 楽通(らくつう)」(兵庫県姫路市)の社長と、ゆかりのある会社の社長や担当者たち。そう、エライ大人たちが「博士」のいでたちで行進していたのだ。

この日は、楽通創立15周年のイベントデイ。行進の前にはJR姫路駅前で、楽通の目玉商品である「企業映画化ポスター」の紹介と、ミニトークショーが開かれていた。「博士」たちのなかにはポスターを制作した会社もあり、その時の苦労話や裏話で盛り上がった。

姫路駅地下ギャラリーでは、過去に制作した200社を超える企業映画化ポスターを展示。また複合文化施設イーグレ姫路でも、楽通の15年の軌跡を振り返るパネル展示された。

市内のみゆき通りでは、期間限定で楽通ショップが開店。さらに当日の参加者には、市内協力店17店舗で飲食や、物販購入できる金券がプレゼントされた。

こうしてこの日、JR姫路駅前から姫路城までの姫路のメインエリアが、楽通にジャックされたのだ。

「ふざけた、楽しい、ワクワク」で結果が出せたら、それで良い

「あの100人の博士が街を歩いた会社、って覚えてもらえたらうれしい」と語るのは、感動会社楽通の田村慎太郎社長。同社は広告代理店で、印刷物やWeb制作、イベントや展示会の企画やコンサルまで、企業プロデュース全般を担う。

ところでなぜ、姫路をジャックするなど周年記念行事を大々的に行ったのか。その理由に、長い新型コロナウイルス禍を経て、活気を取り戻したいという田村社長。そしてこれからも「ふざけた、楽しい、ワクワク」をキーワードに提案をしていきたいと語る。

「募集をかけても学生が来ない」「社内のマンネリ化にカツを入れたい」など、先方の悩みや要望をベースに「おもろい、ふざけた」視点でモノを制作し、コトを起こして課題解決にあたってきた。

しかし、ただ「面白かった」で終わってはいけないと言う。肝心なのは、成果を出すことだ。

例えばふざけた求人募集を出したら、多くの学生の興味を引き、その結果「良い人材が採用できた」という成果を出す。そこがゴールと強調する。

「必ず結果を出すプランを策定します。楽しかった、だけで終わらせません!」

田村社長はそのためのアイデアをどんどん提供し、相手がノリノリになるよう巻き込み楽しむ。

そこが感動会社楽通の、唯一無二の価値だ。

本当にノリノリになれるのか。それは共に行進した「博士」の数が証明する。

ちなみに「博士」の格好は、会社社長が集まって自社製品や世の中に役立つ商品のアイデアを出し合う楽通主催「おもしろアイデア研究所」での「ユニフォーム」。参加者同士の距離を縮める効果はもちろん、おもろい形から入ることで心や脳のストッパーを外す効果も。ここでアイデアを形にできた社長も多い。

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