現在のTwitterの面白い要素についての考察がTwitter上で大きな盛り上がりを見せている。きっかけになったのは翻訳家のWARE_bluefieldさん(@WARE_bluefield)による
「昨日、長年の友人で、ツイッターからほぼ消えてしまった友人と会って話をしてたのだが…。ツイッターをやっていない理由、はっきりとは明示してなかったけど、会話からそれとなく判断すると、今のツイッター、普通の人にとって面白い要素、ほぼゼロだよね。」という投稿。
投稿者ははさらに、
「ツイッター、5年くらい前だと、生活圏なり文化圏が違う人、あるいは逆に親しい文化圏の人と緩やかにつながることで、珍しい知見を得たり、穏やか共感しあったりする楽しい場所だったと思う」
「でも、今のツイッター、単なる偏狭なイデオロギーに取り憑かれた人がエコーチャンバーを起こし他者と諍ってるだけだよね。あるいは、あまりにもインフラ化・商業化しすぎたことで、情報は玉石混交になってしまっている。まあ、普通の人がやってて楽しい・有益な場所ではもうないと思う」
とも言う。
たしかにTwitterは日本ではLINEに次ぐ巨大SNSで、そのユーザー数は年々増加している。その過程で、ユーザーや発信される情報の質に大きな変化が起こっていると感じている人は多いようだ。
この投稿に対し、Twitterユーザー達からは、
「まあ最悪の形で2chを上位互換にしちまった感じだよな。。」
「インスタも商業化し過ぎていてつまらなくなりまきた。昔のTwitterを知らないので今はそれなりに楽しんでいますがTwitter離れした人はどこに行ったのでしょう?SNS全般から離れてる?」
「リア友に軽々しく話せないような過去の闇とか悩みとか、政治的な意見のようなものがない人にとっては面白味は全くないだろうなー。ある意味とても幸せな境遇で羨ましい。私は書くのも読むのも面白い」
「自分は普通じゃないから面白いですよ、Twitter(笑) 普通だと思ってる連中はFacebookやインスタ使ってりゃいいでしょ(笑) そして、もっと普通じゃない連中は5ch使ってりゃいいでしょ(笑)」
など、さまざまな意見や感想が寄せられている。
WARE_bluefieldさんにお話をうかがってみた。
ーーご友人のお話を聞いた際のご感想についてあらためてお聞かせください。
WARE_bluefield:コロナ前はTwitterで、自分の趣味の話題なんかを呟いてるアカウントをフォローして穏やかに楽しんでたんですが、コロナ以降(それ以前からその傾向はありました)殺伐とした話題がTLで埋まるようになって、心労がたまるようになってことでTwitterをほぼ辞めてしまった感じですね。
彼女は、プライベートでも共同体内で人と会うのを楽しんでた人なんですが、自粛で人をほとんど会えなくなって、メンタルがやられたことも拍車をかけた感じですかね。
ーーWARE_bluefieldさんがTwitterを続ける理由をお聞かせください。
WARE_bluefield:まず、一部のプライベートの友人との伝達、交流手段としてまだ便利なことです。
あと「経済学101」というサイトの管理をやっているので、告知や管理のためにTwitterをやる必要があるからですね。その関連で、海外の学術関係のトレンド情報を仕入れるのにも使っています。
ーーこれまでのSNSのコメントや反響についてご感想をお聞かせください
WARE_bluefield:概ね肯定的な反応が多かったのですが、異論というか追加意見として「趣味、関心事項アカウントからの情報取得に特化するために、ミュートワードの設定等でTL構築して不快な意見を遮断すればいい」みたいな自衛策を推奨する人が多かった印象です。
あとは「ツイッターの仕様として、プロモーションや関心項目を知らせる機能等が付いたことで、自分の関心事の情報以外も目に付くようになって、諍いが増えた」みたいな補足意見、「アカウント名付きの5ちゃんねる化した」と嘆く声、「大多数は趣味の話題で楽しんでいるいるだけ」みたいな批判もありました。
◇ ◇
読者のみなさんは最近のTwitterにどのような印象を抱いているだろうか?SNSは生活を豊かにするためのもの。物足りなさや恒常的な不快感を感じてしまっているようなら、利用の仕方を考え直したほうがいいのかもしれない。
WARE_bluefieldさん関連情報
青野浩。一般社団法人「経済学101」理事。おもに海外の社会科学の論文・論説・ブログ等を翻訳しWebで公開する活動を行っている。訳書にトレスケン「自由の国と感染症」(共訳、みすず書房)。
Twitterアカウント:https://twitter.com/WARE_bluefield
「経済学101」:https://econ101.jp/
訳書「自由の国と感染症」:https://www.msz.co.jp/book/author/a/6405/