昨今では高齢者の運転による交通事故が社会問題化しており、免許を自主返納する高齢者が年々増えていると聞きます。一方でクルマは大切な生活の足として手放せない人も多いのが現状です。「パーク24株式会社」が、「運転免許証」についての調査を実施したところ、60代以上の約3割の人が、自身の運転免許証返納について考えたことが「ある」と回答しました。また、運転免許証の返納について考えたきっかけは、約8割の人が「操作ミスによる交通事故のニュースを見たから」と回答したそうです。
同社が運営するドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に、2022年2月に実施した調査で、有効回答数は6940人でした。
はじめに、「クルマの運転免許証を取得した年齢」を聞いたところ、「18歳」(38%)、「20歳」(19%)、「19歳」(15%)と続き、20歳以下が約7割を占める結果となりました。
また、「運転免許証を取得した理由」としては、「運転免許証の取得が当たり前だと思っていた」(33%)、「運転したかった」(32%)、「運転できないと生活に困る」(17%)と続きました。これを年代別でみると、「運転免許証の取得が当たり前だと思っていた」(20代以下/21%・30代/33%・40代/34%・50代/36%・60代以上/38%)は、年代が上がるほど割合が高くなっていました。一方で、20代以下のみ「運転したかった」(46%)が「運転免許証の取得が当たり前だと思っていた」(21%)を25ポイント上回っていたそうです。
続いて、「自身の運転免許証の返納について考えたことがありますか」と聞いたところ、「ある」と回答した人は11%でした。これを年代別でみると、20代以下/4%・30代/5%・40代/7%・50代/12%・60代以上/31%となり、こちらも年代が上がるにつれて返納について考えたことがある割合が高くなっていたそうです。
また、運転免許証の自主返納について考えたことがある人に、「運転免許証の返納について考えたきっかけ」を聞いたところ、「操作ミスによる交通事故のニュースを見た」(79%)、「運転する機会が減った」(14%)、「身近な人が運転免許を返納した」(10%)といった回答が続きました。なお、「その他」(7%)では、「反射神経が鈍くなってきた」「視力が悪くなった」という回答も見られたといいます。
さらに、運転免許証の自主返納について考えたことがある人に、「返納する場合の想定年齢」を聞いたところ、「70歳」(33%)、「75歳」(29%)、「80歳」(16%)、「65歳」(10%)と続き、70〜80歳での返納を想定している人が8割を超えたそうです。
最後に、「家族や親族、友人などで、自ら運転免許証を返納した人はいますか」と聞いたところ、29%の人が「いる」と回答しました。
また、身近に運転免許証を返納した人がいると回答した人に、「運転免許証を自主返納したときの年齢」を聞いたところ、「75〜79歳」(29%)、「80〜84歳」(25%)、「70〜74歳」(24%)、「65~69歳」「85~89歳」(いずれも8%)といった回答が続き、70歳以降に返納する人が多いことが伺えたといいます。
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調査を行った同社は、「今年5月からは、75歳以上で一定の違反歴があるドライバーが免許証を更新する際に『運転技能検査(実車試験)』の受検が義務付けられる、新たな免許更新制度が始まります。皆さんも運転免許証の返納に関してご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか」と述べています。