地毛を黒く染める必要ある? 元教員「金髪が非行につながるのではない」、髪色校則に異議を唱え話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

教員の立場から学校の髪色校則に異議を唱える投稿がSNS上で大きな注目を集めている。

「学校は髪色に強いこだわりをもっているが、茶髪、金髪だろうと好きにさせればいい。他人に迷惑をかけるわけでもない。金髪が非行につながるのではなくて、非行に走りたい子がルールを破りたくて金髪にするんです。全員金髪に染める校則があれば、反発して黒髪にしますよ。その程度の話です。気にしすぎ」

と投稿したのは昨年まで中学校で10年間教員を務めた元教員ののぶさん(@talk_Nobu)。

たしかに本質的なことを考えれば、髪の色と子供の素行にはなんの関係もない。特に近年では海外にルーツを持つ子供も増えていることから、個人の事情をくみ取れない旧弊な体質の学校ではさまざまなトラブルが起こっているようだ。SNSユーザー達からは

「昔高校の入学式で、生まれつき髪の毛が茶色い子が、先生に黒に染めろ染めないと集合写真に写さないと言って、黒染めのスプレーを頭に吹き付けられて泣いてました。髪の毛の色がいけないのか、染めることがいけないのか。なぜそこまで先生がこだわるのか。当時16歳ながらにすごく違和感を感じました。」
「化粧も社会人は当たり前なので
学生が興味持って化粧するのは当たり前だと思います。
場にあった化粧になっていくと思います。
私は化粧品、肌に合わないし、化粧そのものが苦手です。
すっぴんも許して欲しい。」
「こういう話聞くと、服装や髪のルールをゆるくして、その代わりに授業妨害に対する違反を厳しくすれば解決するのでは?と思ってしまいます。」
など数々の共感のコメントが寄せられている。

のぶさんにお話をうかがってみた。

ーー現在も髪色に対する指導は厳しくおこなわれているんですね。

のぶ:はい、私が知る限り中学では厳しい傾向にあると思います。指導内容としてはどうにかして黒く染め直すよう指導するというものですね。深い意義と言うよりは、単純に「髪は黒いのが当たり前でしょ」というような意識が蔓延しているのだと思います。

ーー学校側が髪色校則にこだわる理由はどのようなところにあると思われますか?

のぶ:主には高校受験対策でしょうか。面接をするところは減ってきていますが、試験会場に行った時に悪目立ちしてしまうのを避けたいという感じです。

また、教師によっては校則があるおかげで生徒に対する指導力不足をカバーできているという部分があると思います。なぜ髪を染めたりしてはいけないのか上手に説明できなくても「校則だから」という理由で押し通すことができますから。

ーー髪色に関する校則が生徒にあたえる影響についてどのようにお考えになりますか?

のぶ:ファッションに興味がある子は禁止しても夏休みとかに勝手にやっちゃうんですよね。でも綺麗に染め直すのは難しいから、学校が始まると教師に注意されてしまう。教師にとっても生徒にとっても余計なストレスが生まれるだけで、私としてはこういう類の校則はなんらいい影響を生まないと思っています。

ーーこれまで寄せられたコメント、反響へのご感想をお聞かせください。

のぶ:共感いただく声が多かったので嬉しかったです。社会に出たらある程度好きなファッションをしたり、身なりを整えるのは普通のことなので、学校校則に違和感を感じている人は多いということじゃないでしょうか。

「学校は我慢を学ぶ場だ」「地域の目がある」と言った反対意見もありましたが、その価値観を現代の子どもたちに押し付けることが果たして正解なのかと考えると私は違うと思うんです。

◇ ◇

20年以上前のことなのであまり参考にならないかもしれないが、筆者が通っていた大阪府大東市の私立中学、高校も身なりに対する校則が厳しかった。教師たちの発言や態度から思うに、人権意識の決定的な欠如や、お客となる父兄へのウケ狙いという意図もあったように感じていたがいかに。ともあれ子供たち一人一人の人格に向かい合い、その個性を尊重してくれる学校が増えることを願うばかりだ。

なお今回の話題を提供してくれたのぶさんは髪色校則以外にもSNSでさまざまな問題提起をしている。現代の学校が抱える諸問題にご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

のぶさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/talk_Nobu

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