小学一年生になって初めて学習塾に通わせ始めるというご家庭もあるのではないでしょうか。駅前にひしめく学習塾を見ると、いったいどこの塾がいいのか悩んでしまいますよね。いきなり決めてしまうのも少し心配ですし、そのようなときはだいたいどこの塾でも体験入塾や説明会などを行っているので参加してみるといいかもしれません。関西在住のA子さん(40代)は、子どもにあった塾を選ぶことの難しさを実感したといいます。
――塾の説明会に参加してみていかがでしたか。
印象に残っているは大手有名塾の説明会です。私は当時6歳の子どもを連れて説明会に参加しました。そこで感じたことは大手の塾でも教室によって全くカラーが違ったことです。説明会で講師の方がとても威圧的で上から目線で話す教室もあれば、講師が礼儀正しく子どもたちに笑顔で接してくれる教室もあり、一概に大手有名塾だからどこも同じとは限らないことがわかりました。教室によって本当にさまざまだと知ることができとても勉強になりました。
――体験入塾はいかがでしたか。
7カ所ほど体験入塾に行きましたが、娘いわくほとんどの塾が楽しかったそうです。体験入塾中は見学はできないので子どもから話を聞くことでしか判断はできないのですが、しっかりした教材を使ってマンツーマンで指導してくれる塾から、大勢の中でわいわい学ぶ塾など本当にさまざまでした。どこの塾も体験後は講師の方から詳しく子どもの様子を教えてもらえるので安心感がありました。
料金は大手が比較的安く、小規模や個人になるほど高くなるので、入塾を決める際の決め手にもなりました。また体験や説明会に行かないと料金を公表していないところが多く、ホームページで明瞭表示してくれればいいなと思いました。あと娘なので密室で男性講師とマンツーマンには少し不安があり選択肢からやむを得ず外しました。
――準備を重ねて実際に入塾した塾はよかったですか?
一度目は入塾を失敗しました。
私は子どもにのびのび楽しく学んでほしかったので、授業に外遊びを取り入れている塾に入会を決めました。しかし体験でわからなかった怪しげな「洗脳教育」を行っていたのです。子どもは塾の授業で習ったほかの塾の悪口や、よくわからない「陰謀論」めいたことをどこでも口にするようになりとても困りました。
たまたま塾の近くでママ友(元同じ塾)と出会い立ち話をしていたときには、男性講師がお気に入りの女児と手をつないでスーパーに行っているところに遭遇したこともありました。
以前からその男性講師がお気に入りの女児を偏愛していることは保護者間でも有名でしたが、ここまでとは思わず、ママ友と一緒に「あれいいの?手をつなぐとか買い物とかありえないんだけど」とあ然としてしまいました。
子どもだけでなく、保護者も塾に呼ばれて延々と説教されることもあり、まるで新興宗教のようでした。結局、「これは教育上よくない」と思い、数カ月で退塾させました。
退塾後に、新たに入会した塾は少人数制のアットホームなクラスでした。毎週楽しみにしながら通塾しています。若い女性講師はいつも笑顔いっぱいで、優しく褒めて伸ばしてくれるので娘もやる気をだしています。独自の教材を使用し、学力も言語能力もどんどん上がっています。先生が子どもたちを否定してないで前向きになれる言葉を使って伸ばしてくれるので、子どもたちも自然と自信がつくようです。塾のお友達とも切磋琢磨しながら頑張っているようです。
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塾を決める際には即決せず、説明会へ足を運んだり、体験入塾に行ったりして、実際にどのような講師がいるのか、どのような授業をしているのか…など、調べてみることが大切です。ただ、Aさんは「やはり実際に入塾してみないとわからないこともあり、体験だけでは判断しづらい部分があります。少しでも違和感を感じた場合は入会を避けたほうがいいかもしれません」とも述べています。