上着を脱いだりシャツのボタンをはずしたり……
コロナ禍で体温計を使う機会が増えている昨今、あの真っすぐな棒状のデザインが案外使いにくいことに気付いた方は多いのではないだろうか。
今、SNS上ではそんな体温計の難点を見事解決した「36.8度の体温計」が大きな注目を集めている。
「『36.8度の体温計』を作ってみたら、思いの外かなり測りやすい形の可能性が出てきたのでご報告します。」
とこの体温計を紹介したのは発明家でプロダクトデザイナーのゐずみさん(@Monyaizumi)。
「36.8度」と聞くと体温のことなのか角度のことなのかと一瞬混乱してしまうが、先が斜めに折れ曲がったこのデザインなら体温計を脇に挟むのも楽だし、いちいち服をまくったりする手間も大きく省けそうだ。ゐずみさんの画期的なアイデアに対し、SNSユーザー達からは
「普通に実用新案です」
「体温高すぎて溶けたんかと思いました
斜め36.8度上の発想ですね」
「水銀柱だから真っ直ぐだった訳で、確かに今は直線形である必要はない!」
「素晴らしいです。
これ、角度が逆(下に折れる)だとさらにありがたいかも。
測りながらちゃんと測れてるか見たい時ってないですか。
特に子どもの計測の時助かります。」
など数々の絶賛のコメントが寄せられている。
ゐずみさんにお話をうかがってみた。
ーーこのデザインの体温計を作ろうと思われたきっかけをお聞かせください。
ゐずみ:温度と角度って全く概念が異なるのにどっちも単位が「度(Degree)」でおもしろいなと子供のころから思っていました。体温(℃)を測る体温計を「度(°)」で折り曲げてみたいな、っていうきっかけはただの妄想ネタです。
思いついた時点で、機能性としても優れているイメージまでなんとなくあったので、形の検証としてのプロトタイピングに取り掛かった経緯になります。
ーー製作にあたりこだわられたこと、ご苦労されたことなどあればお聞かせください
ゐずみ:実用の際の使いやすさを3D上で検証するためのプロトタイピングだったので、なるべく実際に商品化した際の形として理想的なものを追求しました。
ーーもう実物は存在するのでしょうか?
ゐずみ:3DCGソフトで制作したものなので実物はまだありません。ただ昔の水銀体温計とは違い電子体温計なので、まっすぐである必然性は必ずしもないと思っており、実装も比較的簡単にできるのではと踏んでいます。
ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
ゐずみ:数多くのご要望の声を頂く中で、「介護現場でほしい」「育児に使いたい」などといった声が印象的でした。
誰でも使いやすいユニバーサルなデザインになる意識はあったので、幅広い方々に使っていただけるだろうなというイメージこそありましたが、介護現場、育児、病院など、第三者が体温を計測するシチュエーションでの機能性の発揮は個人的にも目から鱗でした。もしそういった場でも役立てるようなら本当に嬉しいです。
何かとまだ検証の必要はあると思っていますが、前向きに実用化についても検討中です。現在各所プロデューサーさんにご相談させて頂いています。もし体温計のメーカーさんなどでお声かけ頂けるようなことがあればそれもまたありがたい状況です。関係者のみなさまもしよろしければご連絡のほうお待ちしております。
◇ ◇
この体温計が商品化され、普及する日を楽しみにしたい。
なお今回の話題を提供してくれたゐずみさんはこの他にもさまざまな商品のアイデアをSNS等で発表している。ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
ゐずみ(もにゃゐずみ)プロフィール
発明家/プロダクトデザイナー
メディアを跨ぎ話題を集める発明品を世に発信し続けている。オリジナル雑貨屋店長として、自身の発明した雑貨の販売も行う。
Twitterアカウント:https://twitter.com/Monyaizumi
ウェブストア:https://monyaizumi.stores.jp