17歳のときday after tomorrowのボーカルとして歌手デビューしたmisonoさん。バラエティー番組に出演した後は女優、ものまね、声優、コスプレ、そして海外に進出するなど活躍の場を広げ、現在は地元・関西に拠点を移して、エステサロンをプロデュースするなど実業家として新しい分野に挑戦しています。
今年1月からは「動物のため」の活動もスタート。犬猫の保護活動をしている団体代表との対談をYouTube配信したり、InstagramやTwitterでも動物愛護を念頭に置いた発信をしています。自身も保護猫を家族に迎えたmisonoさんは今後、どのような活動をしていくのか。保護猫の譲渡会場でお話をうかがいました。(取材協力=つかねこ動物愛護環境福祉事業部)
――今年1月から「動物のため」の活動をスタートされました。SNSでの発信が中心のようですが、今後はどのような活動を視野に入れていますか。
misono:YouTubeの再生回数が落ちてきていますが、SNSでの発信は引き続きやっていきたいです。結果がすべてだと、チャンネル登録者数を含め数字を言ってくる人もいます。自分が大好きな動物や美容や食事の動画をアップするとどんどん減っていくので、歌ったほうがいいってアドバイスされるのですが、自分のやりたいことはブレずにいたい。もし自分の心が折れたとしても、保護犬猫のためを思うと続けなきゃいけないし、里親になってくれる人を見つけることも継続していきたいと思っています。オカンが許してくれそうなら自分もまだまだ引き取りたいですし(笑)。親が納得してくれるまで説得するんじゃなくて、misonoの言動や努力次第だと思っています。オトンは何匹でも大歓迎って感じなので(笑)。
――最近、ご実家に迎えた猫2匹は保護猫カフェが出会いの場とか。譲渡会という選択肢もあり、今日は譲渡会場でお話をうかがっていますが、参加してみていかがですか?
misono:保護猫のイメージも変わりましたが、譲渡会のイメージも変わりました。動物たちを含め、皆さんの愛と優しさに溢れていて、ただただ癒されました。譲渡会という選択肢があるってことをもっと早く知りたかったし、「保護犬猫カフェ」の子たちだけじゃなく、譲渡会に参加しているワンちゃんやネコちゃんの里親にもなりたくなるくらい(笑)良い子ばっかりで、預かりボランティアもより一層やる気になりました。ただ、misonoの知り合いにも審査が厳しくて引き取れなかったっていう人が結構いて。1回で諦めないでほしいなって。
自分は、譲渡会のおかげでサビ柄やシニア猫の良さも分かりました。決まりづらいっていうのが信じられないくらいサビ柄はカッコいいし、シニア猫はお利口さん。他にも、ベンガルに見えるような雑種の子もいたので、もっと早く出会えていればって思ったり。子猫から飼いたいっていう人もいますが、小さくてかわいい子は必ず飼い主さんが現れるって自分の中で言い聞かせているところもあるので、大きくなった子と接するようにしています。現に、顔がタイプじゃなかったロシアンブルーが今となってはmisonoの1番の親友ですし。顔や性格ってどんどん変化するので、1日じゃ判断できない。だからmisonoのYouTubeやSNSをチェックして、足を運んでいただけたら幸いです。
自分のことより動物たちのために
――他に取り組みたいことは?
misono:関西に保護犬・保護猫カフェを作りたいです。もっともっとたくさんの子のお世話ができるように。一緒に面倒を見てくれる仲間も探して…自分がもっと凄い人になれば、できることが広がると思うんです。でも、まずは目の前のことから。遠回りしたとしても、とにかく経験を積み重ねていきたいです。
――いつ頃、実現できそうですか。
misono:まだ何も決まっていませんが、できれば今年中には。良くも悪くも今年は時間がありますし。今、この瞬間が幸せであればいいという生き方をしてきて、やりたいことはやりたいと感じた瞬間にやってきました。「来年は」とか「明日は」とさえ口にしたくないんです。明日死ぬかもしれないと思って生きているし、(譲渡会場にいる)この子たちも明日どうなっているか分からない。とにかく毎日「保護犬猫カフェを作りたい」と思って生きています。そのために打ち合わせをかねてお食事させてもらったり。すべて、ご縁とタイミングと運だと思っているので。
――それがmisonoスタイル。
misono:1月から動きだして、どれだけたくさんの人や動物と知り合えたか。コロナ禍でほとんどZoomですけど、すごい人数です。よく「どうしてmisonoって行動に移す前に思ったことを言葉にしてしまうんだろう? 叩かれやすいんだから無言実行にすればいいのに」って言われますけど、今日のmisonoの一言で今すぐ動いてくれる人もいるし、これからもそのスタンスでいきたいです。それに、寄付したって書くと偽善者とか、自分で言うことじゃないって批判されますけど、自分が伝えることでそういう施設があることだけでも届けばいいなって。
アンチの人が誹謗中傷してくれたおかげで施設のことを広められるなら、アンチの人にも感謝です。つぶやいてくれてありがとうっていう意味を込めて、すべてに「いいね」をします。揚げ足取られやすいし、誤解されやすいけど(苦笑)、売名行為だとか話題作りだとか勘違いされているけど、イヤな記事であってもネットニュースにならないよりかはマシだと捉えるようにしています。いろいろあっても、どれも失敗じゃない。それで学べたことや成長できたこともいっぱいあるし、アレしなきゃよかったと思うことはひとつもないので。逆に、明日死ぬってなっても、「アレしておけばよかったと思うことはひとつもないから後悔はない」と言い切れるくらい完全燃焼しているというか。仕事もプライベートも常に「今が1番いい」って胸を張れる毎日です。
――動物は“今”を生きていると言います。同じですね。
misono:もう自分のことはどうでもよくなりました。自分は立派な家もあるし、美味しいもの食べられてるし、最高の家族がいて、素敵な友人がいて、素晴らしいスタッフがいる。でもこの寒い中、夏は暑い中、きれいな水やごはんや家もなく、本来なら仲間なのに縄張り争いなどで闘いながら生き抜いているネコちゃん、ワンちゃんがいるわけです。日々、そんなことを考えながら過ごしていたら、自分のためにお金や労力や時間を使いたいっていう欲がなくなりました。その分、動物たちや自分の周りの人たちに使いたいってなりました。
この活動を始めようと決めたとき、最初に会いに行ったのが杉本彩さん(『公益財団法人 動物環境・福祉協会Eva』理事長)だったんです。テレビで共演したことはあったのですが、プライベートでお会いするのは初めて。なのに、お忙しいなか時間を作ってくださって、どんな質問にも答えてくれました。私が経験したことはすべて教えるからって。お話を聞けば聞くほど「すごい!」という言葉しか出てこなくて、人間としても女性としてもめちゃくちゃカッコよかったです。目指すべきは杉本彩さん! いろいろな所へ足を運んで動物愛護の活動をされていますけど、杉本彩さんといえば京都。京都に2人は必要ないから、自分は大阪の杉本彩さん的な存在になりたいです(笑)。