注射が怖い猫ちゃんもこれで解決、上部に穴が開いたインスタントハウス 自ら移動する猫ちゃんも

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 怖がりの猫ちゃんは、病院に来て緊張すると身を隠したがる性質があります。そんな猫ちゃんのためにと、業者さんにいただいたのが、インスタントハウスです。猫ちゃんにとっては「シェルター」になります。上部に丸く穴が開いているので、お注射などの処置が必要な時には、猫ちゃんはこのシェルターに潜ったまま、獣医師はこの穴から治療することができます。

 このインスタントハウスを愛用してくれている猫ちゃんが、今回ご紹介するもみじちゃんです。もみじちゃんは末期の腎臓病。初めて病院に来た日は、ごはんを全く食べられない状態でした。

 とにかくできる限りのことをしてあげたいとの飼い主さんのご希望で、お注射に通う生活が始まりました。はじめはぐったりしていたので、お注射をしてもそれほど気にしなかったのですが、少しずつ状態が良くなるにつれ「え、またお注射?もう帰りたいです」とキャリーの中に入りたがるようになりました。そこでこのインスタントハウスを使ってみたところ、気に入ってくれたもみじちゃん。嫌がらずに注射ができるようになりました。

 数日ですっかりこのスタイルに慣れ、診察室に到着してキャリーのドアを開けると「はい、移動ですね」と自らゆっくりとインスタントハウスに移動し、少し丸くなってスタンバイ。お注射の間はおとなしくじっとしてくれます。そして「もみじちゃんお注射終わったよ」と声をかけると、またゆっくりとキャリーの中に移動。もみじちゃんに余裕ができ、通院生活は順調に進んでいます。なかなか食が進まないのですが、時にはびっくりするほど食べて、お母さんを安心させてくれる日もあります。

 日々の通院は本当に大変なことですし、ご自宅でも投薬や食餌のケアなど、並大抵なことではないと思います。ご家族のもみじちゃんへの愛情をひしひしと感じながら、病院でもすっかり有名になったもみじちゃんの治療は今日も続きます。

◆小林由美子(こばやし・ゆみこ)獣医師。1990年開業の埼玉県ふじみ野市「こばやし動物病院」院長。米国で動物の東洋医学、自然療法を学ぶ。治療はもちろん予防やしつけなどにも造詣が深く、講演活動も行う。ペットと飼い主双方に寄り添う診療が信頼を得ている。

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