節分の豆で、車が当たる? 節分祭発祥・吉田神社で試したいリアル「福は内」 

堤 冬樹 堤 冬樹

 まもなく節分。節分の厄除(やくよ)け祈願発祥の地とされる吉田神社(京都市左京区)の節分祭(2月2~4日)では、邪気を払う数々の神事だけでなく、境内で授与され、さまざまな賞品が当たる「抽選券付き厄除福豆」にも注目が集まる。最も高額の賞品はなんと自動車! 無病息災を祈願するとともに、「福は内」の運試しはいかが。

 吉田神社の節分祭は、室町時代の発祥とされる。一方、「福当り」の始まりやきっかけは不明だが、最古参の神職が働き始めた1977年時点で既に行われていたという。権禰宜の箕西孝誠さん(47)は「災厄を取り除き、無病息災を願う福豆をお分けし、お参りしていただきたいのが大前提」とした上で、「それに加えて少しでも参拝者の方に喜んでもらいたい思いで抽選券を付けており、京都を中心に多くの業者の方に協賛していただいている」と語る。

 厄除福豆は1袋300円で、抽選券が1枚付く。今年は200近くの企業や事業所などが、賞品や協賛金を提供。清酒、和菓子、ロボット掃除機、メロン、千枚漬、食事券、高級羽毛布団、消火器、ノートパソコン、京都関連の書籍…などなど、賞品のラインナップは実に幅広い。コロナ禍を反映してか、空気清浄機なども数点ある。

 最も高い賞品は「ネッツトヨタヤサカ」(本社・京都市中京区)が提供する小型車「ヤリス」。2021年国内新車販売首位の人気車種だ。自動車はこれまでも提供されており、箕西さんは「ものすごく喜ぶ当選者の方ももちろんいるが、『本当に当たったのかな』と半信半疑の人も。当選した車の交通安全祈願に来られる方もいます」。

 昨年はコロナ禍の影響で、厄災を象徴する鬼を追い払う「追儺(ついな)式」や、古いお札などを燃やす「火炉祭(かろさい)」といった神事が中止に。参拝者は大幅に減り、厄除福豆の授与もコロナ禍前の半分以下にとどまったという。

 厄除福豆の授与は1月15日から、抽選発表会が行われる2月4日午後1時まで(数に限りあり)。昨年と同じく、密を避けるためにコロナ禍の前よりも授与期間を長くしている。

 当選結果は吉田神社の境内やホームページで知らせ、2月8日の京都新聞朝刊にも掲載される予定。賞品の引き換えは社務所で、2月8日から2月20日午後5時まで。以前は引き換え期限が迫ると「当選番号を教えてほしい」という問い合わせの電話が神社に殺到していたといい、箕西さんは「2003年に神社のホームページができたが、そのきっかけも当選番号を広く周知するためだった」と苦笑する。

 今年もコロナ禍のため、追儺式などは中止となった。箕西さんは「感染対策には万全を期すが、お越しいただく方々にも各自で対策をお願いしたい。厄除福豆も神社をお参りしていただくきっかけになれば」と話している。節分祭の詳細や、厄除福豆の賞品一覧は吉田神社のホームページへ。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース