新型コロナウイルスのパンデミック発生から1年以上が経過しましたが、お仕事の内容や進め方が変わった人も多いかもしれません。従業員数500名以上の大企業に勤める中間管理職107名を対象にした「Withコロナのマネジメント」に関する実態調査によると、「部下の適切なマネジメント方法が変化した」と答えた人が6割以上に。その一方で「部下のマネジメントを行う際に勘や経験だよりになってしまう」と7割近くが回答していたといいます。
経営・組織コンサルティング事業などを手がけるエッグフォワード株式会社の関連会社である「株式会社みんなのエージェント」が2021年12月に行った調査です。
まず「あなたはコロナ禍による働き方の変化で、部下の適切なマネジメント方法が変化したと思いますか」と聞いたところ、「かなりそう思う」が18.7%、「ややそう思う」が44.9%で、足すと63.6%とが「変化したと思う」いう結果に。具体的に「どのように変化したか」を尋ねたところ、以下のような回答があったそうです。
・49歳:より少ない人員での効率重視のマネジメントを求められるようになった。
・54歳:日頃の行動より成果を見るようになった。
・53歳:仕事の進み具合が見えにくい場合がある。
・46歳:こまめな状況確認が必要。
・54歳:対面で指導や意見交換出来ていたが、web などでのやり方や伝わり方が異なる。
・40歳:精神面だけでなく、身体面も調子を聞くようになった。
・34歳:全てを指示するのではなく、自発的に考えて行動するように促す。
・46歳:モチベーションの維持が難しくなった。
・49歳:テレワークが増え、飲み会が減り、コミュニケーションが図りづらくなった。
・53歳:コミュニケーションを取る頻度とタイミングを計るようになった。
・54歳:基礎疾患の有無など、部下の体調も管理するようになった。
・47歳:評価基準の見直しが行われたこと。
「コロナ禍において、部下のマネジメントに苦戦していますか」という質問には、「かなりにそう感じる」が15.0%、「ややそう感じる」が45.8%に。
「かなりそう感じる」「ややそう感じる」と回答した人に「コロナ禍の部下のマネジメントの課題」を聞いたところ、「部下とのコミュニケーション量が減少している」が75.4%、「リモートではコロナ前のマネジメントでは通用しない」が35.4%、「マネジメント方法の再現性がない」が30.8%となりました。
また、「あなたは、部下のマネジメントを行う際に、勘や経験だよりになってしまうことはありますか」と聞くと、「かなりある」が16.9%、「ややある」が52.3%で、足すと69.2%が「ある」という結果になりました。
勘や経験だよりになってしまう場面については、以下のようなコメントが寄せられたといいます。
・54歳:自分の過去の経験を基準にしてしまう。
・49歳:コロナ禍によって経験したことがない環境。
・54歳:新しいアクションだと流用できるデータが少なくて、数字で説明できない。
・48歳:咄嗟の判断。
・54歳:アドバイスをする際に、個人個人に合った伝え方に配慮する場合。
・51歳:顧客との折衝や開拓について。
・42歳:日常的な人との関わり方。
・46歳:繁忙期のタスク割、昇進時の面談など。
・54歳:情報を上手く生かしきれない。
・40歳:表情などで勝手に調子をみてしまう。
・34歳:新入社員に対する、営業活動のOJT。
・48歳:自分が経験したことで説明できるので、そういった指導方法に胡坐をかいてしまう。
・52歳:他に方法が浮かばない。
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調査した同社は「年々働き方が進化していく中で、我流のマネジメントに限界を感じている役職者が多いことが判明しました」と説明。「新しい時代のマネジメント力を身につけることが、今まさに役職者に求められていると言えるでしょう」などと述べています。