減便の嵐の中、明るい鉄道ニュースはこれ! 大阪と京都結ぶ観光特急「あをによし」が4月デビュー

新田 浩之 新田 浩之

2022年、日本の鉄道界を見渡すと秋に西九州新幹線(長崎~武雄温泉)の開業を控えるなど、大きく動きそうな気配があります。一方、関西鉄道界では何が起きるのでしょうか。筆者の独断と偏見に基づき「これは」というニュースを一般向けにピックアップしました。

大阪と京都を結ぶ観光特急「あをによし」登場

最初に取り上げるニュースは4月29日にデビューする近畿日本鉄道の観光特急「あをによし」です。「あをによし」は大阪難波~近鉄奈良~京都駅間を走り、週6日運行を基本とします。

使用車両は昨年引退した特急型車両12200系4両編成の改造車。しかも1975(昭和50)年にイギリスのエリザベス女王が乗車した編成が使われるというおまけ付きです。

「改造車」ということもあり、車内外を一新します。車内は2名用のツインシートと3~4名用のサロンシートの2種類を用意。販売カウンターでは軽食や飲料などの販売を行います。また専属のアテンダントも乗車することから、ソフト面の充実ぶりも見逃せません。

「あをによし」は利用料金でもユニークな列車といえます。利用料金は2名~4名利用を基本とし、1名でツインシート2席分を利用する際は乗車券・特急券・特別車両券に加え、子ども分の特急券・特別車両券を購入する必要があります。

また経由地は変わりますが、1992(平成4)年以来の大阪~京都間の特急復活になります。大阪難波~京都間を結ぶ約80分の「あをによし」の旅が本当に待ち遠しいです。

約40年ぶりの新車 京都市営地下鉄烏丸線の新型車両

新型車両では今春にデビュー予定の京都市営地下鉄20系が挙げられます。20系は烏丸線としては約40年ぶりの新型車両となり、既存車両10系のうち9編成を置き換えます。

烏丸線は近鉄京都線・奈良線とも相互直通運転を実施していることから、20系は近鉄奈良駅にも顔を出す予定です。

20系は京都市民の声を取り入れるなど、京都に根ざした車両といえます。先頭車には多目的スペース「おもいやりエリア」を設置。また各所には京都の伝統産業素材や技法を取り入れています。

コロナ禍や京都市の財政難などにより、苦しい局面が続く京都市営地下鉄。20系のデビューにより少しでも状況が改善することを期待したいです。

今年も減便の嵐が続くのか

今年も関西では減便の嵐が吹き荒れるのでしょうか。JR西日本では3月12日にダイヤ改正を実施しますが、関西圏では昨年10月に引き続き減便を主とした内容に。

京阪神エリアでは平日朝ラッシュ時にメスが入ることになり、現状の厳しさが垣間見られます。3月ダイヤ改正の内容は別記事で解説します。

なお2022年1月20日現在、関西大手私鉄は大規模なダイヤ改正を発表していません。今後、私鉄各社がJR西日本の減便ラッシュに追随するのか。覚悟しながら、推移を見守りたいと思います。

2022年も新型コロナウイルス感染症の影響が続くことが予想されます。減便などの暗いニュースが目につく一方、新しい生活に向けた試みも鉄道各社では行われています。そのような前向きな姿勢にも注目したい、と一鉄道好きの筆者は考えております。

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