まるで本物の猫の重み&手触りのクッション…ペットロスにも癒しの効果があると話題に

國松 珠実 國松 珠実

「まるで本物のネコを膝に抱いているみたい!」と評判のネコ型クッションがある。触った感触やほどよい重さに体温まで感じられ、ゴロゴロと喉を鳴らす音や振動はまさにネコそのものというクッション「ミャウエバー」だ。開発したパートナーズ(東京都新宿区)のマーケティング部、大澤孝さんに話を聞いた。

目を閉じれば、ネコがいる

ミャウエバーは「膝にのったネコを楽しんで欲しい」という思いから誕生。ほどよい“体温”の正体は内蔵されているジェルタイプのカイロで、電子レンジで温めることができる。

ネコの顔をあえて作り込んでいないところが面白い。これは、持ち主それぞれが理想のネコの顔をイメージできるようにという工夫だそう。目を閉じて膝と手のひら、そして頭の中でネコの感覚をとことん味わうことができる。

「職場や病院など、ネコを連れて行けない場所でネコを感じられるものがあればと思ったのが開発のきっかけです。ネコ好きさんが、膝にのせてホッとしてくれれば」という大澤さん。2021年に実施したクラウドファンディングでは、応援購入で2千万円以上を集め、その後販売した4カ月で8,000体以上を売り上げた。これだけ“引き取られた”秘密は何だろう。

癒し効果が立証されたぬいぐるみ

ミャウエバーは大手通販会社フェリシモのネコに特化したチーム「猫部」との協力で開発。デザインや機能性を追求し、ネコと24時間一緒にいたい老若男女を対象にした。ところが発売してみると、ペット不可のマンションに住んでいる人や幼い子どもがいる人、また猫アレルギーや、飼ってみたいが世話ができるか不安…など、想定したターゲット以外に必要とする人たちがたくさんいたという。そして寄せられる声すべてに目を通すという大澤さんたちスタッフに響いたのがペットロスの経験者からの声だった。

「ミャウエバーに慰められ、涙したというお声もいただいた。“家族”を失った心の支えに少しでも役立てたなら嬉しい。本当の意味での癒しになっただろうし、そうしたニーズがあることに気づかされた」

多くの「癒された」という声に、科学的に実証できないか東京農業大学の内山秀彦准教授(ヒトと動物の関係学)に協力を仰ぎ、購入者へのアンケートを実施。その結果、特に撫で心地やゴロゴロ音、重さに高いリラックス感を覚える人が多かったという。本物のネコに近い癒し効果が確認されたのだ。

パートナーズは「おしゃべりみーちゃん」や「おしゃべりけんちゃん」など、音声認識人形で定評のある会社だ。電子部品を搭載するぬいぐるみ製作において蓄積されたノウハウを投入したのが、今回のミャウエバー。「いつもネコと一緒に」という願いを込め、ネコの鳴き声「Meow」と、「常に」を意味する「Ever」とを組み合わせて名づけたという。

次の企画も進行中とのこと。今度はどのような動物が登場するか楽しみだ。

■ミャウエバー公式Twitter @MeowEver_ptns
■パートナーズ https://www.ptns-sp.com/

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