いちごのタルト、きっと好きな人多いんではないでしょうか。いちごの数は多ければ多いほどいい…そんな夢を叶えてくれるようないちごタルトが大阪にあるんです。その名も「ごろごろいちご」。SNSでは「タルト生地が見えない」「苺好きとしては大満足の量」「ほんまにごろごろいちごが溢れていっぱい」と、いちご好きがこぞって求めるインパクトがあるメニューです。
作っているのは大阪市此花区にある青果店「ふるぅつふぁみり~」が展開するフルーツタルト専門店「ふぁみり~たると」(大阪市此花区)。直径12センチのタルト生地の上には、高さ約15センチくらいに積み上げられた小粒のいちごが何と80個!
どうやって食べればいいのか悩んでしまいそうですが、こちらはタルトの周りを囲んだ透明プラスティックの筒を上に持ち上げて、積み上げられたいちごを一挙にごろごろごろ…とさせるんです。この「崩す」というアトラクションを楽しんだ後は、みずみずしい食べごろいちごを頬張りつつ、もちろん、こだわりあるタルトを一緒に味わいます。
そんなエンターテイメント感満載の楽しいタルトを考案した青果店「ふるぅつふぁみり~」の社長・荒山拓哉さんに誕生秘話を伺いました。
「行列がうらやましいな、と」
──どんなきっかけでフルーツタルト専門店を作ることになったのですか?
うちは2011年11月に創業した青果店なのですが、3年前から納品業務をスタートし、パティスリーやレストランなどにフルーツを納品しています。ご縁があって神戸・元町の「HAHAHA CREPE(ハハハクレープ)」さんにも納品しているのですが、「ハハハ」さんってすごいんですよ! 若い人たちが、クレープを食べるために行列してるんです。伺うたびに、うらやましいなって思っていたんですよね(笑)。
──確かに青果店では行列は難しいですよね。若者のフルーツ離れというのも話題になっていますし…。
確かに自分では買わなくなっている傾向は感じているんですが、お母さんが皮を剥いたりヘタを取ったりして、カットしたフルーツは家で食べたり、カフェやスイーツ店では食べているんです。みんな本当はフルーツ大好きなんですよね。
だから、「ハハハ」さんのフルーツいっぱいのクレープだったら買うんですよ(笑)。それで、今年6月にフルーツタルト専門店「ふぁみり~たると」をオープンすることにしました。
──青果店だからこそ、食べごろのフルーツを使えるのは強みですよね。
はい。タルトは、和歌山県有田市にあるパティスリー「Gallery Σ(ギャラリーシグマ)」と共同開発しました。「ふるぅつふぁみり~」は、フルーツに関してはエキスパートだと自負していますが、洋菓子の経験は全くなくて…。
どうしようかと悩んでいた時、納品先であるパティスリー「Gallery Σ(ギャラリーシグマ)」の上野山貴之シェフが「うちのタルト(土台)のレシピで作ってみては?」って言ってくださったんです。
──フルーツのプロと洋菓子のプロがタッグを組まれたのですね!
はい。フレッシュフルーツと合う、タルトの土台やカスタードクリーム、生クリームを上野山シェフに考案していただき、完成しました。特にこだわったのはカスタードクリーム。甘みには、和三盆糖を使用しているのですが、カスタードクリームの口どけやほどよいコクがみずみずしいフルーツに合うんですよ! 甘さは控えめにフルーツの甘さや酸味を引き立ててくれています。
「崩れてもいい」と発想転換
──でも、もともとは普通サイズのタルトからスタートされたんですよね?
おかげさまでお店はオープンの6月からずっと盛況で、お客様がタルトをインスタグラムにアップしてくださっているのもよく拝見していたんですね。ただ、その写真のタルトがちょっと崩れてしまったりしていて(苦笑)。せっかく買っていただいて、持ち帰ってもらったときに崩れてしまっているのって、お客様も残念だろうなあと…。
その話を上野山シェフにした時に、シェフが「崩れてもいいんちゃう」って。それで、逆転の発想で、崩れてもいいタルトがあってもいいやん。崩すことの楽しいタルトを作ろう!って、盛り上がったんです。
──それでできたのが…。
「ごろごろいちご」です! 「崩れないように作りあげる」という常識を根本から覆した革新的なタルトなんです。楽しみながら、崩して、おいしく食べて。みんながハッピーになるタルトです!
──いちごはどんな品種を使用されていますか?
季節によって変わっていますが、今はさぬきひめ、白いのは希少な淡雪です。使用するいちごは果肉の固さ、甘みなどを毎回試食して決めています。地方発送の場合は発送中の追熟も考慮して選びますね。いちごはSサイズを使用しています。小さい方がかわいいんです。このごろごろタルトにはSサイズでないとダメなんです!
──確かに、びっくりするぐらいいちごが転がっていきました(笑)。ごろごろタルトはシリーズ展開もありそうですか?
あると思います!いちごの次は…。またインスタグラムで告知します!
今後はいったいどんなフルーツがごろごろとするのか、季節ごとのお楽しみとなりそうです。「ごろごろいちご」4290円は数量限定で予約販売、公式サイトでお取り寄せもできます(4600円)。現時点では、いちごがおいしくいただける2022年の4月半ばまで販売予定だそう。ほかにも1人分サイズの「さくらももいちご」680円、「特選あまおう苺」630円など品種で選べるいちごタルトも豊富にそろっています。営業日は金土日の11:00〜(売り切れ次第終了)。
「ふぁみり~たると」
住所:大阪市此花区梅香3-29-18(ふるぅつふぁみり~此花本店横)
営業時間:金土日の11:00~売り切れ次第閉店
電話番号:06-6446-7008
■公式サイト https://www.fruitsfamily0913.com
■Instagram https://www.instagram.com/family.tart/