岡山県里庄町のイメージキャラクター「里ちゃん」がじわりと人気を集めている。同町出身でブレーク中のシンガー・ソングライター藤井風さん(24)のファンらが、町内のゆかりの地を巡った記念などに里ちゃん関連のグッズを購入。町も「里庄に愛着を持ってもらえるきっかけになる」として、新たにぬいぐるみを製作するなどPRに力を入れている。
里ちゃんは町木・ツバキの妖精として、町制50周年の節目となる2000年11月に誕生。町はピンバッジ(150円)やストラップ(200円)といったグッズを作り、08年度から役場で販売している。
町では藤井さんの人気の高まりを受け、観光客が増加。町は4月、観光客らに向けた情報コーナーを役場1階に設け、里ちゃん関連のグッズも置いたところ、ファンを中心に会員制交流サイト(SNS)などで注目を集めるようになった。
町によると、4月から9月末までの売り上げは、18万6850円と19年度(1万8450円)の約10倍に激増。藤井さんのライブで里ちゃんがデザインされたタオルを掲げるファンが見られたり、役場でほとんどの品を“大人買い”したりする人もいるという。
8月にはぬいぐるみ(高さ28センチ、幅35センチ、2千円)を売り出したほか、ふるさと納税の返礼品にもグッズが登場。町になるべく足を運んでもらおうと郵送は受け付けておらず、町企画商工課は「新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置が解除され、観光客はまた徐々に増えてきている。多くの人にグッズを手に取ってもらいたい」としている。
問い合わせは、岡山県里庄町企画商工課(0865―64―3114)。