京都・晴明神社の消毒液が「強そう」と話題 ステッカーに込められた祈りとは

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 平安時代の陰陽師[おんみょうじ]、安倍晴明(921~1005年)を祭る晴明神社(京都市上京区)の消毒液が、「強そう」などと注目を集めています。その秘密は、消毒液に貼られたステッカーにありました。どんなステッカーが貼られているのか、なぜ貼っているのか取材しました。

 晴明神社の境内には、6カ所に消毒液が置かれています。そのいずれにも、星をかたどった青か赤の5cm四方ほどのステッカーが貼られています。

 この星形のマークは、五芒星と呼ばれます。五芒星は、陰陽[おんみょう]道の祈祷[きとう]に使われる呪符の一つで、魔よけの意味を持つとされます。

 晴明神社は、いつから消毒液に五芒星を貼っているのでしょうか。山口琢也宮司によると、五芒星のステッカーは、昨年春に消毒液を置いた当初からボトルに貼っているといいます。「新型コロナウイルス感染症という悪いものが入ってこないように」という狙いだそうです。

 山口宮司はまた、五芒星について「古くから生死を分かつようなものに使われてきました」と由来を説明します。海に潜る伊勢(三重県)の海女たちは、道具に彫ったり、手ぬぐいに刺繍したりしているそうです。京都の街中でも、バンパー部分に交通安全や事故防止の願いを込め、晴明神社で授与される五芒星を貼った自動車が多く走っています。

 「(安倍)晴明さんが生きておられた時代にも疫病が流行したことはありました。そのときにも五芒星にあやかったはずです」と山口宮司。五芒星には千年前から疫病退散の祈りが込められてきた歴史があるようです。

 ステッカーは、晴明神社の授与所にて800円で入手できます。「普通のおうちなら玄関に貼ることをおすすめします」と山口宮司は話しています。

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