「天竺桂」この名字、読めますか? この3文字で書く木と「見た目そっくりな木の名前」がヒントです

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「天竺桂」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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「てんじくかつら」以外には読みようがないが、これで「たぶのき」と読む超難読名字である。ところで、天竺桂と書く木が何かを調べてみると「ヤブニッケイ」と出てくる。ヤブニッケイはクスノキ科の木で、福島県以南に広がり、雑木林として普通にみられる木である。

ではタブノキは何かというと、こちらも同じクスノキ科に属する木のこと。大木になることが多く、鎮守の森などでよくみられる身近な木だった。実は、このヤブニッケイとタブノキ、よく似ていて素人には区別することが難しい。そうしたところから、本来はヤブニッケイである「天竺桂」という漢字でもタブノキと読んだものだろう。現在は香川県でみられる。

因みに、タブノキは漢字では「椨」と書く。これは国字(中国にない漢字)で、名字では鹿児島県に「椨木」と書いて「たぶのき」と読む名字がある。

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