「母からのLINE。見て見ぬふりは出来ないよなー。」と、お母さんとのLINEのやりとりをツイッターに投稿したGmaさん(@arowana_0101)。そこに写っていたのは、原付バイクのカゴの中でぐったりと横たわる子猫の姿と、「扶養家族をまた増やしてしまいました」という、お母さんからのメッセージ。
その衝撃的なツイートに、13万7千以上のいいねがつきました。
投稿されたメッセージを読み進めると、
「道路の真ん中で横たわってる子猫を見つけてしまった」
「40.3℃で熱中症だと」
「そのまま入院となり、差し出された承諾書」
お母さんが瀕死の子猫を拾い、動物病院へ連れて行ったことがわかります。さらに次の画面には、病院から渡されたという承諾書と、一万円札の写真が。
「患者のマダムが”少しだけど援助させて”と10000円くれました」
「って事で、また一匹、猫が増えました」
え?マダムが援助!? 動物病院でいったい何が!?
Gmaさんのアカウントには、Twitterで一連のやり取りを見たネット民からの”寄付”を願い出るリプライも寄せられました。
瀕死の子猫を保護し、「扶養家族をまた増やしてしまった」というGmaさんのお母さんに、保護した子猫と病院でのやり取り、気になる子猫のその後について、お話を伺いました。
真夏の道路に横たわっていた子猫
「原付バイクで移動中、前を走る車が何かを避けて走行していました。そのまま自分も通り過ぎたところ、道路の真ん中に横たわる子猫を見つけました。子猫がまだ生きている事に気づき、Uターンしてバイクを止め、腕を広げて対向車を止めて拾い上げ、バイクのカゴに乗せました。その時の写真がLINEの画像です。子猫を避けて走行して行った車は何台もありましたが、周りには私の他に誰もいませんでした」
動物病院で直面した「現実」
「子猫を連れて行ったのは、我が家の犬猫、実家の犬もお世話になっている、かかりつけの動物病院です。到着時、子猫はぐったりしており、首を持ち上げる事も出来ず、力なく鳴くのがやっとでした。渡された承諾書の通り、届けた人が治療費全額を負担するということでした。
病院の名誉のために付け加えますと、子猫が瀕死だったという動揺もあり、家族のLINEには詳しく伝える余裕がなかったのですが、承諾書をいただいた際、病院からは、”無料で預かれる病院に転院することも出来ますよ”というご案内もありました」
「実は以前、段ボールに捨てられ、雨の中カラスに突かれていたところを保護した、我が家の保護猫1号と2号も、同じ病院で診てもらっていました。その際は、治療費は取られず、生後間もない子猫の対処法などを丁寧に教えていただき、病院にあった試供品のミルクやミルク用シリンジをいただいたという経緯がありました。
そのため、対応の違いに驚きましたが、やはり信頼できる病院で診てもらいたかったのと、子猫の状態的に、他に移動させている時間はないな、という私の判断で転院は断りました」
「援助させて。私もきっと同じことをするわ」
「当日は祝日という事もあり、院内の待合室は満員。外の待合室にも患者さんが10組以上お待ちだった中、緊急と言う事で、すぐに診てもらえました。待合室の皆さんは、病院とのやり取りの一部始終を見聞きしていましたが、その中でLINEに書いたマダムだけが、”援助させて”と申し出てくださいました。”お気持ちだけで嬉しいです。ありがたいですが、いただけません”と何度もお断りしましたが、マダムが私のバッグにその10000円をねじ込んでくださったので(笑)、ありがたく頂戴しました」
「”これじゃ足りないわよね。足りないのはわかってるんだけど、病院代は高いからカードで支払っていて、現金の持ち合わせがコレしかないのよ”と、何度もおっしゃっていました。その優しさに心を打たれ、思わずその場で泣いてしまいました。同時に、マダムと私のやり取りをずーっと目で追ってうなずいていた他の方々に、”同情するなら金をくれ‼︎”と、一瞬でも思ってしまった自分に対して反省しております(笑)」
入院と治療費
「子猫は2泊3日、入院しました。退院の日、私は出張中だったので、息子にお迎えを頼みました。病院にお支払いした金額は、13900円。息子によると、”熱中症と少しの風邪、脱水症状もありました。受診料はいただいておりません”と、病院の方がおっしゃったそうです。おそらく入院費、投薬料、食事代のみのご請求だったのではないかと思っております」
Twitterを見て寄付を申し出てくれた人たち
「私自身、拾った時点で、”飼う”という事を多少なりとも考えていましたので、承諾書にあった、拾った者の責任ということも理解できております。ただ、そうおっしゃっていただける方がいる、心配してくださる方がいると言う事だけで嬉しいです。”世の中捨てたモンじゃないな”と思う事ができました。とてもありがたいです」