「ケーキパフェ」は美味しくて、意外とパフェに乗ったままでも食べられるということはわかりました。でも、やはりどうしても知りたいのは、なぜこのような大胆極まりないスタイルになったかということ。
そこで、柿内さんが訪れた「ミオール船場店」に取材を申し込んだところ、衝撃の事実が判明!
実は、このカフェを経営するのは、寛永七年(1630年)創業の老舗和菓子店「千鳥屋宗家」とのことです。「千鳥屋宗家」といえば、「本千鳥-千鳥饅頭-」などで知られる有名店。デパ地下や駅の店舗を利用したことがある人も多いのではないでしょうか。
そのグループ企業として展開するのが、パティスリーとカフェの「ミオール」。その中でも「ケーキパフェ」を提供しているのは「ミオール船場店」のほか、「ミオール梅田店」「ミオール豊中店」、姉妹店の「テテ学園前店」の4店舗とのこと。
「千鳥屋宗家」専務で、「ケーキパフェ」の考案者である原田眞理子さんにお話を聞くことができました。
──「ケーキパフェ」はいつ頃、どの店舗で始めたものですか?
今から27年前に、大阪梅田三番街店で始めました。
──どのようなきっかけで誕生したメニューなのでしょうか。
当時はケーキ、フルーツ、アイスなどを1枚のお皿にデコレーションしたデザートが流行し始めていました。お客様がそのデザートをナイフとフォークを駆使しながら食べているのを見て、「もっとカジュアルに、楽しく食べられないものか」と感じたんです。そこで、アイスクリーム、フルーツ、ソースをパフェグラスに入れ、その上にケーキを載せて「ケーキパフェ」とし、ナイフとフォークではなく先割れのロングスプーンで食べるような形にしました。「ケーキが上に乗っていると食べにくいのではないか」と心配しましたが、皆さんとても上手にスプーンを使って食べていただき、大変な人気メニューになりました。
──なるほど! たしかに先割れスプーンならどの具にも対応できますね。現在、「ケーキパフェ」は全部で何種類あるのですか?
店頭のケーキケースに並んでいるケーキはすべて当社製のもので、どれでもケーキパフェにすることができるんですよ。ケーキは定番商品、季節商品を合わせて毎日10種類ほどがケースに並びます。季節によってケーキの種類も変わりますので、ケーキパフェのバリエーションはかなり豊富です。
ちなみに、船場店で人気のケーキパフェトップ3は、「ショートケーキNYカットパフェ」(1130円)、「モンブランパフェ」(950円)、「ルミエールパフェ」(930円)です。
※価格はミオール船場店のもの。他店では異なる場合があります。
──「ケーキパフェ」のパフェ部分に入っているものを教えてください。
アイスクリーム、フルーツ、ソース、脂肪分36%の軽い生クリームです。ケーキによってソースやアイスの種類を変えているので、いろんな組み合わせをお楽しみいただけます。
※店舗によって内容が異なる場合があります。
──「ケーキパフェ」を食べる際のコツを教えてください。
まず一例として、「周りから食べていって中心部を後で食べる」という食べ方ですね。または、「中心から食べて、パフェを少し食べ、残りのケーキをパフェの中に沈めて食べる」というのもあります。お客様はそれぞれに工夫して驚くほど上手に召し上がっています。
──今回のツイートは5万近くのいいねがつく大反響でした。
投稿者さんには「ケーキパフェを発見していただきありがとうございます」という気持ちです。ご覧くださった方々にも、長い間大阪で愛されてきた「ケーキパフェ」にチャレンジしていただける日を楽しみにしています。
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実は30年近い歴史があった「ケーキパフェ」。一見インパクト狙いのように見えるこのスタイルは、「いろんな美味しいものを、食べやすく」というお店の方の気配りから生まれたものだったのですね。素敵なお話を伺えました。
■「千鳥屋宗家」公式サイト https://www.chidoriya.jp/