「コロナワクチン、予約した?」「もう打った?」…最近、こんな会話があいさつ代わりになっている、なんてことを耳にします。自治体で接種時期や予約方法などは大きく異なりますが、高齢者の方や医療従事者の方は2回目が終わり、若い世代の接種が始まっているところもあるようです。また、職域接種をしたという方も多いのではないでしょうか。
インフルエンザと違い、実績もデータもほとんどない未知のワクチン。特に2回目の副反応が大きいというようなニュースを耳にすると、つい打つのを躊躇してしまいたくなることも。
副反応も人それぞれ、あるいは人によってデメリットがある場合もありますが、コロナが蔓延している今、そしてオリンピックの後もどうなっているか分からない状況では、接種する意味やメリットも非常に大きいといえます。といってもあくまで「任意接種」。打つか打たないかは、個人の判断が最優先されるべきだとも思います。
そこで、すでにコロナワクチンを打ったママたちのリアルな経験談、そして「打つ予定がない」「今は見送る」という判断をしたママたちにお話を聞いてみました。
コロナワクチンについて
国が決めているコロンワクチンの接種期間は、2021(令和3)年2月17日~2022(令和4)年2月末となっています。医療従事者等の職域接種と高齢者への接種が進められ、その後基礎疾患のある人や一般の人という順に接種を進めていきます。すでに一般の人の接種が始まっている自治体も多いようです。まずコロナワクチンに関する情報を簡単に紹介しましょう。
【コロナワクチンにはどんな種類があるの?】
日本では現在、3種類のワクチンが薬事承認されており、ファイザー製、モデルナ製のワクチンが、予防接種法における接種の対象となっています。
▽ファイザー製…3週間間隔で2回接種。接種対象年齢は12歳以上。
▽モデルナ製…4週間間隔で2回接種。接種対象年齢は12歳以上(この7月に18歳から引き下げることを決定)。
効果の大きさや副反応の出方は、100人いたら100人違う状態のようです。
【受ける前に注意が必要なケース】
「こういう状態の方は受けられない」という決まった注意事項や禁忌事項は特にありませんが、基礎疾患がある、あるいは妊娠・授乳中の人は、かかりつけ医や担当医に確認してから受けたほうがいいようです。
【接種の流れ】
すでに「コロナワクチン接種券」が手元に届いている方も多いと思います。接種までのおおまかな流れはこのようになっています。なお、接種費用は無料です。
1:市町村から「新型コロナワクチン接種券」が届きます。
2:自身が接種申し込み可能な時期かどうか確認します。
3:ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場をチェックします(リストが掲載されている)。
4:電話やインターネットで予約をします。多くの自治体は1回目2回目が同時に予約できるようになっています。2回とも同じ場所で接種できるとは限りません。
5:ワクチンを受ける際に、郵送されている「新型コロナワクチン接種券」と本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)を必ず持参します。
6:接種直後、15~30分間ほど様子を見るために、会場にて待機する必要があります。
【考えられる副反応】
まだまだ未知なるワクチン。インフルエンザワクチンのように「こういうケースはこのような副反応が出やすい」という確たる情報はないのが現状です。
今までに報告されている副反応として、
・接種部位の痛みや腫れ
・疲労・倦怠感
・頭痛
・筋肉痛
・発熱
・吐き気
などが挙げられています。1回目後は接種部位の痛みや腫れだけ、2回目後に発熱や頭痛が強く出る、というケースが多いようです。
ママたちの体験談:1回目は案外軽い?2回目はある程度覚悟が必要?
ここでは、すでに2回目を打ち終わった働くママたちに、接種後の様子を詳しく聞いてみました。仕事は休めても子育てはなかなか休めないママ、どのように過ごしたのか、どのような事前準備をしたのかなどもうかがってみました。
◇ ◇
▽1回目で副反応が結構大きく、覚悟していたけど…〔Hさん、30代後半、子ども8歳、6歳〕
・副反応の様子は?
打ったのはファイザー製。
1回目:打った直後は接種部分がちょっと痛んだ程度でしたが、半日後くらいに強い筋肉痛みたいな痛みと、すごい倦怠感と微熱が出ました。接種翌日は土曜日だったので、子どもの世話と家事を主人に任せてほとんど寝ていました。日曜から普通に育児・家事ができるように。
2回目:1回目でけっこう副反応が出てしまったので、接種会場にも鎮痛剤を持参したりしましたが、接種部分の痛みと、接種した夜に38度熱が出ましたが、解熱剤で翌朝には下がり、頭も体もスッキリ。覚悟していたよりは出ず、翌日から普通に動いていました。
・事前に準備したことは?
1回目のときは高をくくってなにも準備していませんでした。結果、主人に任せまくり…2回目の前には、料理の作り置き、お風呂場とトイレを念入りに掃除、仕事を再チェックしたくらいかな。
・会社(仕事)は休みましたか?
1回目は金曜だったので、仕事は休まず。2回目は水曜だったので、一応翌2日間休みを取りましたが、翌日には復活していたので、結果休んだのは1日だけ。
◇ ◇
▽2回目後に38度!〔Yさん、40代前半、子ども6歳〕
・副反応の様子は?
打ったのはファイザー製。
1日目:インフルエンザ接種後とまったく同じ感じでした。本当にちょっとの痛み。打った日の夜だけ、接種部分を下にして寝ると少し違和感あるかな~程度でした。翌日には痛みも引きました。
2回目:1回目ほぼなにもなかったので、大丈夫なんじゃないか?と思っていたら…接種した夜から39度の高熱と頭痛、翌日は頭痛は収まったものの、38度の熱と倦怠感。インフルエンザにかかったような状態でした。少し前に処方されていたカロナールを飲みながら、なんとかしのぎました。3日目の朝には熱も下がったものの、倦怠感で何もできず。4日目になんとか復活という感じでした。3日間、ほぼ寝っぱなしでした。
・事前に準備したことは?
ほぼなにもせず…主人と子どもには本当に申し訳ないことをしました。子どもはipadをいつもよりたくさん使えて嬉しかったようですが…。
・会社(仕事)は休みましたか?
1回目はウィークデーに打ちましたが何ともなかったので休まず。2回目は念のため金曜に打ちましたが、結局ダウンして月・火の2日間休みました。リモートワークなので、火曜のリモート会議には参加、私の接種体験談で盛り上がりました(苦笑)。
◇ ◇
▽1回目も2回目もほぼ副反応出ず〔Tさん、40代後半、子ども16歳、14歳〕
・副反応の様子は?
打ったのはモデルナ製。
1回目:接種後数時間で接種部分の痛みと軽い腫れが出ました。痛みが時間とともに強くなり、寝るときも接種部分が下になると「痛い~!」という感じ。翌日は、髪の毛を結ぼうと腕を上げたら「痛っ!」となりましたね。それが2日ほど続きましたが、頭痛や発熱はまったくありませんでした。
2回目:接種後すぐに少しだけフワ~っとする感覚がありました。その夜に37度ちょっとの微熱と頭痛が出ましたが、市販の解熱剤を飲んだら翌朝には回復。念のため再度解熱剤を飲んだからか、その後発熱と頭痛はありませんでした。逆に接種部分の痛みは1回目より弱く、接種の翌日にはまったく気にならなくなりました。解熱剤飲んだからかな?
・事前に準備したことは?
2回目に副反応が強く出てしまった、という友人の話を聞いていたので、冷凍食品を買い込みました(笑)あとは、「私が倒れたらよろしく!」と、子どもたちに洗濯機の使い方、干し方を教えました。結局子どもたちがやることはありませんでしたが…。
・会社(仕事)は休みましたか?
1回目も2回目も週末に接種し、2回目の後は念のため1日(月曜)休みを取りました。でも完全復活していたので、普段できない家事をしまくりました(苦笑)。
今すぐは打たずに様子を見ると判断をしたママたち
今すぐは打たない、あるいはもう少しいろいろなことが分かったら打つ予定、などの判断をしたママたちに話を聞いてみました。
◇ ◇
▽子どもがまだ乳児なので、倒れるわけにいかない
子どもがまだ生後7カ月でがっつり授乳中です。基本的には授乳中でも大丈夫とされていますが、万が一赤ちゃんに影響があったら怖いし、副反応が強く出たら「この子のお世話は…」という不安もある。主人は「熱とか出たら俺やるから」とは言ってくれていますが、やはり今はまだ見送る予定です。主人は接種するようなので、子どもと私は引き続き気をつけながら巣ごもり生活ですね。〔Mさん、30代後半、子ども7か月〕
◇ ◇
▽持病があるから躊躇
持病があるため、担当医に聞いたところ「自己免疫疾患なのでコロナになる方が恐ろしい。打つ事を進めますが、持病と副反応の絡みについての確固たるデータは無いので、正直副反応がどう出るかはこちらもよくわかっていません」とのこと。
確かにコロナになったら一発でどうにかなってしまいそうな疾患なので打つべきだと自分でもわかっているのですが、打ったことでどうにかなるのも怖い…今まで通り気をつけながら生活をしつつ、もう少しワクチンの実績が見えてきてから打とうと思っています。ワクチンが不足していくというニュースが流れるたび不安ではありますが…。〔Tさん、40代半ば、子ども15歳、12歳〕
◇ ◇
▽怖い話ばっかり聞くので…
「ワクチンで亡くなった」というニュースを見たり、友人が「2回目はマジでしんどい」なんて話を聞くと怖くなってしまって…手元にワクチン接種券は届いているのですが、まだ申し込んでいません。主人ともじっくり話し合い、「打ってどうにかなったらどうしよう」という不安に押しつぶされながら過ごすより、気をつけて生活をしながら今は見送ることにしました。ちなみに主人は申し込みました。
仕事もリモートなので、今まで通り「うつらない、うつさない」ように気をつけながら、時期を見て打つことも検討していこうと思っています。〔Uさん、30代後半、子ども5歳〕
◇ ◇
「どんな影響があるんだろう」「具体的な副反応が分からない」という不安を抱えている方にとって、このような体験談はとても参考になると思います。接種の効果も副反応も千差万別ですが、「こうなったときのために」事前準備をしておくことは必要かもしれません。
そして忘れてはいけないのが、「コロナワクチンを接種したから、もうコロナにはかからない!」というわけではないということ。インフルエンザと同じで、「コロナにかかっても重症化を防ぐ」ためのワクチンです。接種したからといって、いきなり開放的な生活をおくるのではなく、手洗いうがい・消毒を怠らず、気をつけながら生活したいもの。
なお、前述したように、「打つ、打たない」も個人の判断。それを責めたり、「打ってないから」と避けたりするのはお門違いです。今後増えていくさまざまな情報を収集したり、自身の体の状態と照らし合わせて判断していくことが大切です。