「九石」この名字、読めますか? 超難読のため、読み方を「くいし」に変えた家もあるほどです

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「九石」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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栃木県にある超難読名字で、漢字と読み方が全く対応していない。ルーツとなったのは、栃木県茂木町にある地名で、地名が「九石」と書いて「さざらし」である。

地名の由来は、鎮守の宮の祭田で9つの小石で飾るササラが発見されたことによるという(異説もある)。ササラとは竹の先を細かく割ってつくった食器などを洗浄する道具で、おそらく神社の祭礼用に9つの小石で装飾を施したササラが見つかったのだろう。読みは「ささらいし」から「さざらし」と変化する一方、漢字では9つの石から「九石」と書いたらしい。

ここには九石城という城があり、那須氏の一族が住んで九石氏を称していたが、やがて没落。その後この地に住んだ高津戸氏の一族が、改めて地名をとって「九石」と名乗ったという。

現在も茂木町に最も多い他、宇都宮市や矢板市などにももられる。また関東各県や北海道にもあるが、超難読のため他県では読み方を「くいし」に変えた家もある。

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