人気の携帯用扇風機に注意!2年で37件の事故、けが負う事例も 扱い方次第で破裂や発火の恐れ

金井 かおる 金井 かおる

 製品の事故情報の収集や安全性調査などを行うNITE(ナイト、製品評価技術基盤機構)のツイッター公式アカウント(@NITE_JP)が公開した携帯用扇風機の事故再現動画が注目を集めています。

 動画には、首に下げた携帯用扇風機が破裂したり、ゴミ収集車の中で発火する様子が収められており、ユーザーからは「怖い」「やばすぎる」「強い衝撃はNG」などの声が上がっています。

 同機構は「手軽に持ち運びできる携帯用扇風機が流行し、今後、買い替え需要や流行後の大量廃棄も懸念される」として注意喚起を行ったといいます。

地面に落とし…内部でバッテリーが損傷

 同アカウントは6月24日、公式ツイッターを更新。リチウムイオンバッテリー内蔵の携帯用扇風機を使用する際の注意点や処分方法を短い動画にまとめ公開しました。

 動画はこんなシーンで始まります。ある男性が外出先で、携帯用扇風機をリュックサックから取り出そうとしたところ、誤ってコンクリートの地面に落下させてしまいます。強い衝撃を受け内部でバッテリーが損傷。そのまま使い続けていると目の前で破裂するという衝撃的な内容です。

 さらに別の場面では、男性が故障した携帯用扇風機を部屋のごみ箱に投げ入れます。一般ごみとして収集され、ごみ収集車の中で押しつぶされ発火します。

事故報告は2年間で37件

 同機構によると、携帯用扇風機の事故が初めて報告されたのは2019年度のこと。発生件数は2019年度から2020年度の2年間で37件(うち火災は12件)でした。

 同機構は携帯用扇風機の取り扱いについて、「落とすなど強い衝撃を与えない。日の当たる車内など高温となる場所に放置しない。雨水や海水、飲み物など水がかからないようにする」といった注意点を挙げています。

 処分方法については「一般ごみと一緒に捨てない、正しく捨てる」。リチウムイオンバッテリーの捨て方は、自治体によって有害ごみやリサイクル回収、電気店での回収などさまざまです。「携帯用扇風機に限らずリチウムイオンバッテリーが搭載されている製品を廃棄する場合は、分別方法など自治体の指示を確認してその指示に従ってください」と注意を呼びかけます。

 「大きな火炎により対処が困難と判断した場合は、直ちに避難するとともに119番通報してください」(担当者)

実際の事故例

 同機構の事故情報データベースに登録された携帯用扇風機の事故例の一部です。

〈事故例1〉2020年8月、大阪府。充電中の扇風機付近から異音がして出火し、焼損。製造事業者等は不明。

〈事故例2〉2020年7月、兵庫県。ネット通販で購入した携帯用扇風機を充電中、本体と周辺を焼損する火災が発生。50代男性が軽傷。リチウムイオンバッテリーが内部ショートして異常発熱し、焼損。製造事業者名の記載なし。

「携帯用扇風機」気をつけたいポイントは…

 同機構が推奨する、リチウムイオンバッテリー内蔵の携帯用扇風機を使用する上で気をつけたいポイントを紹介します。

(1)製品を選ぶ基準の目安は、製造や輸入事業者、販売元が確かなこと

(2)充電時は近くに物を置かない、様子が見える離れた場所に置く、就寝中を避ける

(3)充電用コネクター内部への液体やほこりなどの付着に注意する

(4)衝撃を与えない

(5)高温になる場所に放置しない、水に濡らさない、ペットが届かない場所に置く

(6)事故の前兆(充電が行われない、充電中にこれまでよりも熱くなった、外装が膨張し変形した、バッテリーパックが膨張した、不意に電源が切れた)を見逃さない

(7)所有する商品がリコール対象製品かどうか確認する

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