誰でも「漫才ネタ」が作れる“実践的ドリル”が爆誕!さあ芸人になったつもりで発想力を鍛えてみよう

鶴野 浩己 鶴野 浩己

仕事でも勉強でも「~しなくてはならない」というプレッシャーを感じると、やる気や自由な発想がわきにくくなるもの。小学生にとっての「ドリル」も、そのひとつかもしれない。

そんな「ドリル」に、子どもが夢中になる仕掛けたっぷりの商品が登場した。その名も「お笑いドリル」だ。

「お笑いドリル」とは、漫才のネタづくりを通して子どもの発想力を養うドリル。誰もがストーリーを知っている「桃太郎」をモチーフに、様々なシチュエーションでボケとツッコミを考えていく構成になっている。

ドリルを進めながら自然とネタができあがるように、「習得編」「実践編」「台本創作編」の3ステージを用意。「習得編」では、「なんじゃそりゃ!法」「いいまちがい法」など7つのボケの技(パターン)が紹介されていて、それぞれの例題のほか、思いついたボケ・ツッコミをどんどん書いていけるトレーニングスペースが用意されている。

続く「実践編」では、それまでに習得した技を駆使して問題を突破。そうしてラストの「台本創作編」にたどり着いたときには、たくさんのボケとツッコミがストックされているので、これらを組み合わせてオリジナルのネタを完成させる。目安としては、6セットのボケ・ツッコミでおよそ1分のネタになるそうだ。

小学3年生以上の子どもが集まったワークショップでは、みな夢中になってドリルに取り組んでいたとか。とはいえ、最初はどの子もクセのように「答え合わせ」のページを探していたという。

実はこのドリル、「答え合わせ」のページがない。著者の中田敦夫さんは、その理由を「お笑いは、正解じゃないものを歓迎するところが素晴らしい。だから答え合わせのページはあえて作らなかったんです」と語る。

「正解なんてないんだよ」「自由に考えていいんだよ」と伝えると、途端に子どもたちは自由に発想を膨らませて、オリジナルのボケとツッコミを書き始めるそう。「型にハマらない奇想天外な発想でボケてくるから、一緒に参加された保護者のみなさんも、子どもたちの回答を見て声を出して笑っていましたよ」(中田さん)。

子どもたちの創造性や発想力を育むプログラムを企画開発する「コトマグ」(宮城県仙台市)の代表でもある中田さんは、「お笑いドリル」開発の理由をこう話す。

「パソコンやスマホで検索すればすぐに答えがわかる世の中になって、最短距離で正解を求めたがる子どもが増えている気がするんです。でも、社会に出ると、正解のないことばかりでしょう?だから、自分なりの答えを試行錯誤しながら導き出し、それを信じて進んでいく力を身に付けてほしかったのです」

そこで目を付けたのが、まさに“正解のない”お笑いの発想力だ。

「お笑いは正解からはみ出して発想を広げていくし、いろんなカタチが歓迎される。また、自分の失敗やコンプクレックスさえ、発想の転換で笑いに変えられるってすごいことじゃないですか。その視野の広さや心のゆとりは、ぜひ子どもたちにもってもらいたい力。漫才ネタの創作は、そうした力を養う最高のトレーニングになるのでは?と思い、ドリルを考案しました」

とにかく自由に発想を広げてほしい――。そんな想いから、中田さんはワークショップでも、できあがったネタの披露を強制しない。

「ネタづくりと演じることはまったく別モノ。ネタづくりは好きだけど披露するのは恥ずかしいという子には、『ネタを作る仕事の人もいて、それもすごく立派な仕事なんだよ』と伝えます。逆に、演じるのが好きな子はどんどん発表してくれたらいい。誰かを傷つけるような使い方さえしなければ、どんな発想も使い方も認めてあげたいですね」

 

「正解から飛び出すことは楽しくて、新しい世界が見えてきます」と中田さん。「このドリルをきっかけとして、ひとりでも多くの子どもが、自分らしく創造的な毎日を送れることを願っています」

 ▽お笑いドリル

 https://kotomag.thebase.in/

▽コトマグ

https://atsuonakata.wixsite.com/kotomag

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