自分で山小屋を建てて暮らし、水は雨水を頼りに、ガスなし、電気はかろうじて通じるという暮らしをしているアオトウさん(@aotoudai)。相棒のアヒルと暮らし始めてから、あることにチャレンジしたそうです。それは、「話しかける」こと。その結果が驚きです。
アオトウさんがXにポストしたところによると、
「私は元々、動物に話しかけるタイプではなかったのだけど、絶えず話しかけてくるあひるに合わせてなるべくこちらからも話しかけるようにしていたら今ではこれ」
アオトウさんは、言葉が通じるとは思っていないけど、無駄でもいいからなにか発声するようにしようと思い立ったそうです。それはアオトウさんが烏骨鶏を飼い始めたことに端を発していました。
「最初は、鳥なんか感情的だし、いつも群れで生きていて、私のように感情表現が苦手で集団行動が下手くそで、いつも困ってきた人間と気が合うわけがないと思っていました。しかしひょんなことから、孵化したての烏骨鶏のひよこを7羽、真冬に育てることになり、その時にひよこたちの天性の『群れる才能』に何度も助けられ、大人まで育て上げることができたのです」
ひよこはすぐに死んでしまうので、仕事(在宅業)をしていても寝ていても気が気ではなかったというアオトウさん。寒さや空腹や不安な時には甲高い“呼び鳴き”をするし、何もなくて満足な時も、ヒヨヒヨ、フイフイと、何かしら満足そうな声を出していたといいます。
「私は安心して他のことに集中することができました。それ以外にも、ああ声を出して伝達することってこんなに群れの役に立つんだと、身をもって体感する毎日の連続でした」
もともとは大型犬を飼いたかったというアオトウさん。しつけられるか、介護ができるか、お金はもつかなどあれこれ考えた結果、烏骨鶏を飼育した経験から家畜に近い鳥、アヒルを飼うことにしたそうです。
そこでアオトウさんは、あるチャレンジをすることにしました。「あひるに話しかけてみよう」
「アヒルは、品種改良される前は真鴨だったのです。鴨も群れで生活する生き物なので、それに準じた接し方をしようと思い半年間練習しました」
アオトウさんは、最初は、外国の人にいきなり日本語でガンガン話しかけるぐらい抵抗があったそうです。
「エッとかウワーとか言ってみたり、歌を歌ったり、グッグッと鳴くあひるの声をオウム返しにしたりしました。そういう言語ではない発声によるコミュニケーションは無理なくできるのですが、話しかけるとなると違和感がすごくて。しかし、アヒルは毎日“鳥語”で話しかけまくってきました。私も母語のほうが感情やボディランゲージを自然に乗せやすく、結局日本語で話しかける練習をするようになりました」
アヒルは、生まれたての頭が柔らかい頃に来たので、アオトウさんのことをよく観察して育ったそうです。
「私がアヒルの言うことを理解するより、アヒルが私のことを分かってくれてる率のほうが高いと思います。話しかけると必ず反応してくれます。名前のことを名前だと認識しているかどうかは分かりませんが、名前を呼べば返事をしてくれるので、姿が見えない時も助かります。鳥は群れ上手なうえ、うちのアヒルはすごく明るい性格でコミュニケーション上手です」
大型犬ではなくアヒルを飼うと決めたアオトウさん。
「相棒ができて楽しいですよ。どんな性格のやつがくるのか戦々恐々でしたが、来てみたらすごく明るい性格のアヒルで、毎日本当に小さな、ささいなことを全部拾って喜んでいます。その様子を見ていると、こちらも気分が明るくなるので有り難く思っています」
アヒルと人間がここまでコミュニケーションできるとは意外ですが、これ以上ない相棒ができたというアオトウさん。アヒルに「ぴーちゃん」という名前を付けて、可愛がっているそうです。