大阪カラオケパブ女性殺害は顔見知りの犯行か?防犯カメラやスマホで割り出しへ

小川 泰平 小川 泰平

 大阪市内でカラオケパブを経営する20代女性が店内で複数の傷のある状態で死亡が確認された事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は15日に現場を取材した。同氏は16日、当サイトに対して「強い恨みと殺意を持つ顔見知りの犯行」と見解を述べ、「防犯カメラ映像やスマートフォンの通信履歴、無料通信アプリやメール等の履歴を捜査することで容疑者の割り出しが進められている」と解説した。

 事件現場は大阪市北区天神橋4丁目、JR天満駅近くの雑居ビル5階にある「カラオケパブごまちゃん」。14日午前10時40分頃、発見した知人から通報があり、血まみれの状態で倒れていた女性の死亡が確認された。この女性は同店オーナーの稲田真優子さん(25)で、胸に刺し傷、首には複数の切り傷があった状況から大阪府警は殺人事件として捜査している。

 小川氏は「被害者が刺された部位や数をみると強い恨みと強い殺意があったと思われる。被害者の顔にはタオルのような白い布がかけられていましたが、過去にもこうしたケースはあり、犯人は被害者と面識のある者だったことが考えられる」と指摘した。

 さらに、同氏は「被害者のスマートフォンが持ち去られており、これはスマホの内容を見られると容疑者につながる情報があったのだと思われる。無料通信アプリやメール等の中に、何かトラブルをにおわせるものがあった可能性があり、発信履歴も含めて隠蔽するために持ち去ったものと思われます」と推測した。

 被害女性は11日の金曜日に店のあるビル内に入る姿が防犯カメラで確認されたのを最後に、ビルから出た様子は映っておらず、14日に死亡した状態で発見されたことから、犯行はこの間に行われた可能性が強い。定休日ではない土曜日の12日午後5時半ごろに訪れた常連客によると、店は閉まっていたという。

 小川氏は「被害者が持っていた店の鍵で外から施錠して犯人が逃走したということは、事件そのものの発見を遅らせる意図があったと考えられる。最短だと、金曜の夜から土曜にかけて犯行が行われていたわけで、その場合は2日間も発見が遅れたことになる。また、凶器も見つかっておらず、容疑者は凶器を準備して現場に行き、使った後で持ち去ったということなら、計画性があったと言える」と指摘した。

 今後の捜査の行方について、小川氏は「現場のビル1階には360度映るパノラマ式の防犯カメラがあり、被害者だけでなく、加害者が映っていても不思議ではない。多くの人が出入りするビルですが、警察は映っている人を1人1人、全員が誰であるかを特定する作業を既に行っていると思われます。また、被害者のスマホ本体がなくても、無料通信アプリやメールのやりとりはデータで分かりますから、そちらでも容疑者の割り出しが進められているでしょう」と説明した。

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