元中日・門倉コーチ失踪に警察は「事件性なし」断言 その背景とは?「行動情報を確認済みか」小川泰平氏が分析

小川 泰平 小川 泰平

 元中日2軍投手コーチ・門倉健氏が5月15日から行方不明になっていることを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は2日、当サイトの取材に対し、 警察が「事件性はない」と断言したことの背景について説明し、本人が自身の意志で行動し、無事である可能性が強いと指摘した。

 門倉氏は先月15日に練習を無断欠席。連絡が取れないことから、家族が愛知県警に捜索願を出し、16日に受理された。その後、20日に「5月15日をもって一身上の都合により退団させていただきます」との門倉氏直筆の退団届が2軍マネージャー宛に郵送され、球団が本人の筆跡と確認して受理し、26日に退団を発表した。21日には妻・民江さんにも「また連絡します。突然のことでごめんなさい」との手紙が届いたが、消印は単身赴任していた愛知県ではなく、自宅のある横浜市だったという。

 小川氏は「厳密には『行方不明者届』(旧捜索願)というものになりますが、それによって警察は事件性があるか否かを判断します。未成年でも、小学生等の場合には連日大掛かりな捜索を実施します。今回は未成年ではありません。事件性がなければ、『行方不明者届』を受理はしますが、警察が積極的に捜索をすることはありません。一般的には、お名前や生年月日等がデータ化され、職務質問等で『行方不明者届』が提出されていることが分かり、本人にお伝えするぐらいで、拘束力はありません」と解説した。

 その上で、小川氏は「今回の場合は、警察がメディアの取材に対して『事件性はない』と断言しています。これは珍しいことで、通常は『事件性と本人の意志による失踪を含めて考えている』などと複数の可能性を挙げて発表するものなのですが、今回はあえて『事件性なし』と断言したということは、警察が本人と連絡が取れているのか、誰かを介してきちんとした情報を得ていると思います。一般の成人が自分の意志で家出をしているのに、それを警察が捜索することはありません」と指摘した。

 今回の件で、警察と門倉さんの家族との間で連絡を取りつつ、今のところ進展はないと報じられている。

 小川氏は「通常、これは門倉さんに限った話ではないですが、家族のいるような成人男性が突然いなくなり、事件性がないということであれば、お金や異性、仕事上の問題と、だいたい相場は決まってくるものです。今回の門倉さんの件で私が思ったのは、いなくなった翌日に家族が届け出を出しているという事は、なにがしかの予兆、前兆だとか、心配事があった可能性もあるのかと思いました。球団も解雇の判断が早かったように感じました」という。

 その上で、同氏は「『事件性はない』と警察が断言したので、本人が何らかの理由でいなくなったことをご家族も理解され、球団も既に知っていたと思います。『今、無事でいます』ということを、警察がご家族と話している可能性もあるかと思います」と付け加えた。

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