「コーヒーなのにフルーティー」「ロゼワインみたい」 幻の台湾・阿里山コーヒーの秘密を伝道師に聞いた

沢井 メグ 沢井 メグ

コーヒーというと南米やアフリカが有名だが、近年、台湾産のコーヒーが注目されているのをご存知だろうか? 台湾はコーヒーの栽培に適したエリア「コーヒーベルト」に位置し、日本から最も近い外国の産地なのだ。

その台湾産コーヒーの中でも「幻のコーヒー」と呼ばれるのが嘉義県阿里山で生産されている「阿里山コーヒー」だ。阿里山は高級茶の産地としても知られるが、コーヒーもお茶と同様に一級品。味わいは個性的で「柔らかな甘味」「フルーティー」と表現されることが多い。阿里山茶と共通する特徴を持ち、中にははっきりと「お茶のような香り」と表現されることもある。あまり想像がつかないが……一体、どんな味なのだろうか? 

実際に飲んでみた!

今回、台北と京都に店を構えるスペシャルティーコーヒー専門店「GOODMAN ROASTER」で阿里山コーヒー(ナチュラルプロセス / 80g 2484円)を購入し、まずは予備知識なしでテイスティングしてみた。

コーヒーから立つ独特の香りは、フルーティと言わざるをえない! 第一印象をそのまま述べると、果実を思わせる瑞々しさだ。確かにコーヒーの実は「コーヒーチェリー」と呼ぶが、実際にコーヒー豆となるのは種子の部分で、さらにローストもされている。なのにフレッシュな果実のような香りがするとは!

そして味も新鮮だ。一般的にコーヒーの味の評価は苦味か酸味かで語られがちだ。阿里山コーヒーを「苦味」か「酸味」の2択で表現するなら「酸味」を選ばざるをえないが、その酸味もいわゆる「酸っぱさ」ではなく果実由来の芳醇な味わいだ。例えるなら「ロゼワイン」によく似ていた。

コーヒーでワインを感じただなんて信じられないかもしれないし、自分でも何を言っているかよくわからない。だが事実は事実だ。阿里山コーヒーには特別な秘密があるのだろうか?

味わいの秘密をプロに聞く

というわけで、阿里山コーヒーの秘密を知るべくGOODMAN ROASTER代表の伊藤篤臣さんを直撃した!

元々、外資系コーヒーチェーンに勤めていた伊藤さんは、2008年当時台湾でまだ知名度が低かった阿里山コーヒーと出会い感銘を受け、そのポテンシャルを台湾の人にも知って欲しいと2011年に台湾に移住、現地の農園と共に阿里山コーヒーの普及に尽力。2019年からは阿里山コーヒーの魅力を日本にも伝えるべく、京都にも店をオープンさせた。

焙煎士でありバリスタであり、そしてこの10年余りを現地の農園と共に歩んできた伊藤さんは阿里山コーヒーを最も深く知る人物の1人だと言える。

 

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