コロナ禍で全国各地の地方鉄道も厳しい状況に置かれる中、今や赤字鉄道を代表する(?)存在となった千葉県の銚子電鉄のあれやこれやをマスターした「ソムリエ」の資格講座がスタートしました。鉄道ファンには撮り鉄、乗り鉄、ママ鉄…と多々あれど、この講座が目指すのは「守(も)り鉄」。字の通り、マニアック過ぎるぐらいの知識をもとに、廃線危機にある地方鉄道を守り続けよう-という試みです。
資格講座は「銚電931(救済)ソムリエ」。「まずい棒」などのプロデュースをしている寺井広樹さんが「銚子電鉄をご支援下さる方々に、より深く銚電を知って頂くための資格講座」として創設。その基本理念は「銚子電鉄の歴史や自ギャグ的理念(自虐+ユーモア)をしっかり理解している」ことだといいます。
銚電といえば、まずい棒や銚電マンシールなど赤字を逆手に取ったさまざまな商品企画をしてきましたが、昨年満を持して公開した映画「電車を止めるな」も、まさかのコロナ禍の直撃を受け大苦戦。今年2月には駅が事務所荒らしに遭い、売り上げの一部2400円を盗まれるなどの被害も出ました。
そうした中、寺井さんの元には方々から「銚子電鉄をなんとかしてあげたい」「何か支援方法は」「コラボができれば」といった問い合わせが。一方で、まだコロナ禍の終息も見通せない中、現地まで来て実際に電車に乗ったり、駅でグッズを買ったりする形での支援には限界も。そこで、オンラインでも受講できる資格制度に着目。「鉄道を救済するスペシャリストとして、ワインソムリエや野菜ソムリエなどと並ぶ新たな民間資格にできたら」と夢を語ります。
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講座はオンラインで実施。内容は①銚電の歴史②車両のご紹介③苦境に立ち向かう自虐商品④日本一のエンタメ鉄道を目指して⑤銚子電鉄を支える仲間たち-で、講師は俳優のコウガシノブさんら「電車を止めるな」の出演者・関係者が務める。所要時間は1時間。受講料は「救済」にちなみ、9310円(税込み)で、受講者全員にオリジナルの認定缶バッジと弧廻手形が贈られる。テキストは寺井さんの「廃線寸前!銚子電鉄~“超極貧“赤字鉄道の底力」(交通新聞社、990円)。
実施日は6/12、19、25、30日でいずれも午後8時~9時。銚子電鉄HPの申し込みページから申し込む。https://choden-sommelier.com/