「マイクロビーズクッションは気安く捨てるんじゃないよ!」収集作業員の悲痛な叫び 臨時車を手配するほど大惨事に

竹内 章 竹内 章

ソファーや座布団、抱き枕などマイクロビーズが入ったクッション。快適さの一方で、ある惨事がSNSで注目されました。紙類と同じごみ袋に入ったマイクロビーズクッションが収集車の圧縮板に巻き込まれた次の瞬間、とんでもないことが…。人をだめにするクッションは、車両もだめにしてしまうのです。

話題になったのは収集作業員(@sagyo_in)さんの投稿。「マイクロビーズクッションは気安く捨てるんじゃないよ! 布や紙類と混合で分からずに積んでしまい、破裂して全身真っ白。車内を汚せないから作業着の上着は破棄。事務所に報告、臨時車手配、そして掃除。破裂されると誰も幸せにならない。」というツイートが拡散しました。 

ユーザーからも「一度部屋でばら撒きましたけど、片付けが大変でした…実感的によくわかります。ゴミに出す時は気をつけたい」「マイクロビーズクッションをゴミの日に捨てられ、それをカラスが突いて、ビーズが風で家のガレージに散乱。ホウキではけず、植え込みの土の上もビーズだらけ…本当に困る」などと共感が相次ぎました。 

クッションに使われるマイクロビーズの大きさは直径1~3ミリ程度。ばらまかれてしまうと、その後の掃除が大変です。自宅で破れても大惨事になるようで、掃除機で集めようとすると、内部に付着してしまうそうです。収集作業員さんに聞きました。 

―ごみの中にマイクロビーズクッションが紛れ込んでいたのですか?

「収集作業中、大きなマンション前にごみ袋が積み上げられていました。積み込みながら圧縮板を回していると、突然マイクロビーズが圧縮板の隙間から溢れ出てきて…という展開でした。作業の手を止めて残りの袋を見ると、紙やプラスチックなどの一般ごみに混ぜたマイクロビーズが4袋確認できました」

―災難としか言えません。

「マイクロビーズクッションのみであれば、大きさの割に軽いため、持った瞬間わかることが多いのですが、一般ごみと混ぜられてしまうと見抜くことができませんでした。まだまだ修業が足りません」

―マイクロビーズクッションは可燃ごみなのですか?

「お住いの自治体によって差はあるかもしれませんが、私が担当する区の場合、マイクロビーズの廃棄方法について特別な指示はありません。材質がプラスチックなので可燃ごみに分類されます。クッションの扱いであれば30センチ以上は粗大ごみ、それ以下は可燃ごみとなります」

―今回のようなケースはまれでしょうか?

「時期に関係なく見受けられる印象です。何かに引っ掛けてしまい中身があふれる、ペットがいたずらで破いた、クッションの原型を保持できなくなり廃棄―というケースが多いように感じます」

リプ欄に寄せられた捨て方の質問について、収集作業員さんは「袋に入れてマイクロビーズだとお知らせいただければ現場で対応できると思います!」と答えています。神戸市の場合、マイクロビーズが入ったクッションは燃えるごみに分類されますが、45リットルの指定袋に入りきらない大きさのものについては、大型ごみ(事前申し込み、有料)になるため、注意が必要です。今回のような破裂、飛散した事案については、現場では以前から「注意が必要」と認識されているそうです。

新型コロナウイルス禍に伴う外出自粛や休業要請を反映して、家庭ごみが増え、事業ごみが激減するなどごみの排出から見えてくるものもあります。収集作業員さんによると、一番最初の緊急事態宣言の直後はノートや教材など子どもの学用品が多く見られ、その後おもちゃが見受けられたそうです。「長引く在宅でまず子どもの荷物から整理されたのでしょうか」と話します。その後、消費期限が切れた贈答品や衣類、不燃ごみ箱に入った新品同然の食器類が大量に出るなど、断捨離による廃棄が今も続いているそうです。

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