感染収束の切り札のひとつであるワクチンについて考えてみた<前編>

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

 3度目の緊急事態宣言が出されました。医療逼迫の状況も改善されず、不安が広がります。感染収束の切り札のひとつであるワクチンについて、現状と課題や今後について、海外事例も参考に、考えてみたいと思います。

目次
#1 国内のワクチン接種の状況
#2 7月末までに高齢者の接種完了?
#3 「大規模接種会場」の新設
#4 五輪参加者への医療資源の提供が優先?
#5 イスラエルのワクチン戦略
#6 「誰ひとり、取り残さない」

国内のワクチン接種の現状

 日本国内のこれまでのワクチン総接種回数は348万9719回、内訳は、医療従事者334万8013回、1回目は235万2255回、2回目99万5758回(4月28日)、高齢者14万1706回(4月29日)です。一回でもワクチンを接種した人の全人口に占める割合は約2%です。

 医療従事者は2月17日から、高齢者は4月12日から接種が始まり、今後、高齢者施設の従事者や基礎疾患のある人、60~64歳の人、16歳以上の一般の人の順番で接種が行われる予定です(開始時期などは未定)。

 現時点では、国内で承認されているのは、米ファイザー製ワクチンのみで、その輸入量は約856万回分(約428万人分)です。日本政府は、ファイザーとの間で、2021年内に1億4400万回分(7200万人分)の供給を受けることで合意(※9月末までに、16歳以上の対象者約2億2000万回分(1億1000万人分)供給で合意との話もあり。)、6月末までに1億回分以上を確保する予定です。4月到着分は約1226万回分(約613万人分)、5月は4300万回分、6月も4300万回分以上が届く見通しです。

 政府は、英アストラゼネカと米モデルナとも契約しており、アストラゼネカ製は1億2000万回分(6000万人分)、モデルナ製は5000万回分(2500万人分)の供給を受けることになっていますが、いずれも国内での承認を申請し、審査中です。

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