「誰でも死ぬ可能性」のある病気に変異したウイルス、感染しないため私たちはこれ以上何をすればいい?

渡辺 陽 渡辺 陽

基礎疾患のない20代、30代の人でも感染すると、重症化することがあるというコロナの変異株ウイルス。「誰でも死ぬ可能性」のある病気に対して、私たちはどう向き合えばいいのか、新型コロナやワクチンに詳しい日本プライマリ・ケア連合学会の医師・守屋章成さん(以下、守屋)に聞きました。

「ついうっかり」で感染することがある

――大阪府、大阪市や府教育委員会、市教委は、職員や教職員が3月1日から4月上旬の間に、5人以上か午後9時以降の会食に2356人が参加していたことを発表しましたが、このような行為は非常に危険なのではないでしょうか

守屋「新型コロナウイルスは,感染しても症状がなくて元気な段階で、他人としゃべるだけで簡単にうつります。誰でも新型コロナウイルスに感染している可能性があるし、誰が持っているかは誰にもわからない。自分が誰かからうつされて知らずに感染している可能性も常にあります。アルコールを飲もうが飲むまいが、屋内だろうが屋外だろうが、食事はもちろんちょっとお茶をするだけでも感染することがあります」

――屋外でも、お茶をするだけでも感染するのでしょうか

守屋「はい、感染します。お互いが食べて口を動かしている間、つまり、マスクを外している間は絶対にしゃべらない、しゃべる時は必ずお互いがマスクを着けることが徹底できるなら感染しないかもしれません。
でも、他人と食事をする間一言も喋らないよう徹底できる人はいないでしょう。私でも自信がありません。必ず『ついうっかりマスクなしの状態で喋っちゃう瞬間』があるのです。できるはずのないことにトライしないでください。食事やお茶を一緒するのは同居家族とだけにしましょう。同居家族以外とは食事もお茶も一緒しなければ、ウイルスを家に持ち帰らずに済みます」

今は感染拡大がヤバい、我慢の時

――マスクをしてしゃべるのはいかがでしょうか

守屋「その場にいる全員がマスクを正しく着けていれば,会話してもかなりうつりにくくなります。100%絶対とは言えませんが,かなり確率を下げられます。まずは他人と会う機会を減らしましょう。仕事などで会わざるを得ない場合は,会話する間は絶対にマスクを外さないようにしましょう。たとえ何時間も連続する場合でもマスクを絶対に外さないようにしてください」

――他に気を付けることはありますか?

守屋「手に着いたウイルスをうっかり自分の口や鼻に持っていく可能性があるので、常に手をよく洗うか、消毒してください。特に」

――しかし、こうした生活を続けるのは困難ではないでしょうか

守屋「正直しんどいと思います。私は職業柄、新型コロナ流行が始まって以来1年以上同居家族以外とは飲食していません。個人的にはまだ我慢できていますが、人とワイワイ飲食したり賑やかにするのが大好きな方にはとても辛いことでしょう。そういう楽しみを気兼ねなくできる日が早く来て欲しいと強く思います。
でもワクチンが普及して流行が落ち着くまでは、あとしばらく辛抱していただきたいのです。変異株の拡大に伴い、今は基礎疾患のない元気な20代でも感染すると酸素吸入が必要になり、30代でも人工呼吸やECMOが必要になることが増えています。基礎疾患のない30代の方も亡くなり始めました。新型コロナは若い人でも死ぬ病気になってしまったのです。
どうか今しばらく、同居家族以外との飲食やマスクなしの会話は避けて、感染しないよう感染させないよう最大限注意してください」

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