大きなあくびにシワシワの小さな手 令和元年生まれの赤ちゃん108人に癒され元気になる写真展

八木 純子 八木 純子

 大きなあくび、しわしわの小さな手、やっと開いたつぶらな瞳などなど…生き生きとした令和元年生まれの赤ちゃんの表情をとらえた写真の数々。見る人の心を癒し、命の素晴らしさも教えてくれる写真展「令和のたからもの」がゴールデンウィークの期間(4月29日~5月9日)、阪急西宮ガーデンズにて開催される。同時に赤ちゃんたちの写真集「ふにゃふにゃの宝石」も先行発売。開催に先立ち、写真家の生原良幸(いくはら・よしゆき)さん(72)に話をお聞きした。

有名人から市井の人まで撮影、ポートレートの第一人者

 徳島県出身で、兵庫県伊丹市に住み、大阪に事務所を構える生原さんは、世界的に活躍してきた写真家の一人だ。知らない間に、私たちは生原さんの作品を数多く目にしてきた。というのも、広告や雑誌、ファッションのカメラマンとして俳優、モデル、タレントなどを撮影し、第一線で活躍してきたからだ。日本人では初めての「VENES 83」(ポーランド)グランプリの受賞をはじめ、CLIO賞、広告電通賞、雑誌広告賞、カレンダー日本マーケティング協会賞など数々の賞にも輝いた。著書も「後朝」「世界の子供たち・ボリビア、メキシコ、ブラジル」「おおさか原人録」「素顔の紳士録」「関西こんな人あんな人」など海外版を含めて17冊を発刊。

 そんな生原さんは近年は能、源氏物語、こころの風景など日本の伝統・文化をテーマとした撮影にも意欲を燃やしている。そして、明治、大正、昭和を生きた100歳のポートレートを発表するなか、「命の原点」として令和の赤ちゃんをテーマ撮影することを思い立ったという。

コロナ時代だからこそ、見てほしい写真展

 2019年5月1日、平成から令和への改元を機に、大阪や兵庫などの産科病院の協力を得て、新生児の撮影がスタートした。大変だったのはスケジュール。出産の予定日はあっても、前もって撮影日程が決められなかったこと。誕生の一報を聞き、慌てて駆けつけることも少なくなかった。そんな苦労も被写体である赤ちゃんを目にしたとたん、エネルギーをもらい、撮影意欲が倍増したという。

 「どの赤ちゃんも可愛いくて、しぐさや表情を見ているとこちらも自然に笑顔になる。お母さんのおなかの中から出てくる大仕事をした赤ちゃんから、命の尊さやエネルギーを感じながらシャッターを切っていました」

 赤ちゃんの撮影の話になると、うれしそうに目を輝かせる生原さん。最終的には同年12月までの7カ月間あまり、双子1組を含む「令和元年生まれ」の赤ちゃん108人をカメラに収めた。そして昨年(2020年)、第1回の赤ちゃん108人の写真展「0歳」を大阪で開催して大きな話題に。今回は赤ちゃんたちの写真集「ふにゃふにゃの宝石」発刊に合わせての第2弾の写真展となる。

 場所は人気商業施設「阪急西宮ガーデンズ」(阪急西宮北口駅東改札口より連絡デッキで徒歩約3分)の本館1階にある「ウエルカムガーデン」で写真展「令和のたからもの」〈2021年4月29日(木・祝)〜5月9日(日)/10:00〜21:00〉が開催される。入場無料(※今後の社会情勢を踏まえ変更となる場合がある)

 「ゴールデンウィーク中なので、多くの人に写真を見てもらえそうです。そして、コロナ禍の今、赤ちゃんの写真で癒されて元気になってもらえたら、うれしいですね」と生原さん。

 写真展に合わせ、写真集「ふにゃふにゃの宝石」〈澪標(みおつくし)出版社)/オールカラー76ページ/2000円+税〉が阪急西宮ガーデンズ4階のブックファーストでも発売される。写真集を開ければ、いつでも好きな時に赤ちゃんたちの愛らしさや笑顔に出会え、癒されること間違いない。コロナ禍にあって写真展も写真集も癒しと元気の一助となってくれそうだ。

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