「4歳の息子が家の中を走り回って大変なので、室内に道路標示を作ってみました」という投稿がTwitterで話題を集めています。自宅の廊下に白いビニールテープで、横断歩道と「止マレ」の路面標示を再現したのですが、実際にお子さんには効果テキメンだったみたいで…。ナイスなアイデアをかたちにしたお父さんにお話をお聞きしました。
投稿したのは、名古屋市在住の40代男性「キャップ / FURI×」(@cap1118)さんです。会社員をしながら、FURI×(フリカケル)と名乗って映像脚本の作成などを手がけられています。7月2日につぶやいたところ、5日朝までに16万件近い「いいね」がついています。
画像を見た人たちからは、「素晴らしい!」「センスありすぎ」という声が続々と。「遊びながら交通ルールも学べて一石二鳥!」「壁に標識架けたりしても楽しそう」という感想がある一方で、「停止線の引き方を見ると一方通行ですな」「マジレスすると、手前に(横断歩道が前方にあることを示す)ひし形もあると尚良し」といったマニアックな指摘をする人もいたりして、大変盛り上がっています。
気になる標示の効果については、走っていたお子さんが「止マレ」の前で立ち止まる様子が後日動画で投稿されていて、想像以上のようです。ただ、標示のまわりで車のおもちゃを置いて遊ぶ様子もあわせて紹介されていて…。予想外にお気に入りのスペースになってしまったようです。
キャップさんにお話を聞きました。
―道路標示を作ったのはお家のどこですか?
「リビング・ダイニングにつながる通路部分で、横断歩道を左折するとキッチンがあります。ちなみに正面の扉に入ると洗面所です」
―お子さんが走り回って大変…とのことですが、ここで衝突事故などはたびたび発生していたのでしょうか。
「事故が発生したことはないです。でも、最近は手洗いをたくさんするため、洗面所に行くたびにあの小さな通路を走るので…。台所近辺だし、危ないなぁと」
―そうですね。こういう間取りだと、とても混雑するポイントですよね。交通標示のアイデアはどのように思いつかれたのですか。お子さんが自動車のおもちゃで遊ぶのがお好きとか?
「ミニカーで遊ぶのは好きですが、実はあんまり関係がなくて。どのように思いついたかは別の理由がありまして…」
―え、そうなんですか?
「実は息子が4歳になり、男の子なのでドンドンやんちゃになって来たんですね。どこのご家庭の男の子も、みんな同じだと思うんですが、すぐ走るし、触るし、壊すし、好奇心が旺盛すぎて。それで、その都度しっかり躾をしなきゃと怒ってたんです。『走るなー』とか『 触るなー』とか。でもどこか疑問を感じていたんです。普段は映像脚本家として、いろいろなことを面白くしようとする活動をしているのに、息子に対しては、なんか面白くない父ちゃんしてるな―って。そこで息子に対しても、面白おかしく接して行こうと最近行動してました」
―それが今回の『止マレ』に至ったんですね。
「ちなみに、前から街にある『止マレ』って面白いなぁ…と思ってたんです。あれってものすごく命令形じゃないですか。なのに、みんな(基本的には)なにも文句言わず守ってる。ということは息子にも親がガミガミいうのではなく、『記号』で伝えたら楽しくていいのではないかなぁ…って思ったんです。家に『止マレ』って描いてあるシーンを想像したらオモロイなぁって」
―ガミガミいうと嫌な気持ちになるのに、記号だと抵抗感がなくなるって、すごい着眼点ですね!
◇ ◇
―お子さんが標示をはじめて見つけたときはどんな反応でしたか。 動画ではお子さんが標示の前できちんと止まられているのが印象的です。
「めちゃめちゃ興奮して喜んでました。『なにこれー!!』って(笑)。走ってもちゃんとここで止まることを伝えたら、毎回ちゃんと止まるので、こんなにもうまくいくとは!とビックリしました」
―その後の投稿では、道路標示が遊び場になっていましたが…。その後も息子さんは「止まれ」ていますか?
「止まれてるというか、なぜか走らなくなりました。テープの跡がつくといけないので、少したったら剥がそうかと思ってたんですが、息子が気に入りすぎてまだ剥がせてはいません。テープを張ったのは投稿した7月2日の夕方ですが、それから2日たっても今のところはめくれることなく元のままです。さらに一部剥がしてみたり、ベタついてないか確認してますが、今のところは綺麗に剥がれそうな感じです」
―使われたテープもTwitterで紹介されていますね。ニチバンという会社から出ている絶縁用テープとのことですけど…。
「こちらのテープは、白で綺麗に剥がせそうなやつを選んで買いました。思いついたら今すぐやりたくなる性格なので、仕事の帰りに買ってきました」
―今回話題になったことについて、感想があればお聞きしたいです。
「正直ビックリしてます。皆様からも嬉しいコメントばかりでありがたい限りです。ただ、親としても、もの作りをする人間としても、日々試行錯誤しながらやってるので、恐れ多いなぁと…。あと、映像脚本家として『アイデアのスパイスを『フリカケる』』なんて言ってることもあり、これで終わりではなく、これからもいろんな問題を面白く楽しく解決して発信したいと思っています。息子とも毎日笑いながら向き合いたいなぁ、と」
◇ ◇
キャップさんのTwitterには、ほかにも印象的な写真が。虫取りにハマってるお子さんが壁にある時計をに虫取り網をかけてしまったときの様子ですが、画像につけられているコメントがとても楽しそうで…。
「息子が9時26分を捕まえてしまったのでこれからは9時25分の次は27分となります」
「時計が落ちそうになってたので思わず『危ない!』と言いかけたのだけど、『あ、これも楽しもう』と思って」とキャップさん。そのときの時刻を捕まえてしまったことにしてしまったそうです。少し視点を変えるだけで、毎日はとてもきらきらしてくるものなのかもしれません。