「垢抜けない外見」を「素朴な外見」に、「行き当たりばったりな人生」を「臨機応変な人生」に…
他者と円滑なコミュニケーションを保つ上で知っておいて損のない言い換えテクニックの中にぽつぽつと含まれる「猫みたいな」という表現。
JavaScriptプログラムを中心にさまざまなユニークなコンテンツを提供するサイト「ねこいりねこ」の「短所を長所に変える辞典」がSNS上で大きな注目を集めている。
「猫みたいな」の使用例は
「毛深い人」→「猫みたいな人」
「自分勝手な性格」→「猫みたいな性格」
「胴長な人」→「猫みたいな人」
「抜けやすい髪」→「猫みたいな髪」
などなど。
いささか強引な気もするが、その絶妙なセンスにSNSユーザー達からは
「就活で短所を長所に言い換えるサイトを探してたんだけど、困ったら"猫みたい"で毎回押し切るサイトがあってめちゃくちゃ面白い」
「いや、抜けやすい髪は触れないほうが…笑」
「既視感を覚えたので確かめたら、猫関係はすべて『NARUTO 』69巻にありました。(次頁に"胴長"もあります。)人気のあった娯楽作品からの引用ですから出典がなくてもかまわないとは思いますが、ふと気になりまして。」(※"引用"は投稿者の誤認。詳細はインタビュー内容にて)
「違和感なくてワロタ」
など数々のコメントが寄せられている。
「短所を長所に変える辞典」開発者のすとうけんたろうさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):「短所を長所に変える辞典」を作られた時期や経緯をお聞かせください。
すとう:「短所を長所に変える辞典」を作ったのは2008年の9月です。グルメレポーターがまずい料理を「不思議な味」と言って誤魔化すというのを聞いて、そういうのをまとめたら面白いんじゃないかと思って作りました。10年以上前に作ったものが不意に話題に上がるのは何やら不思議な感じですね。
だいぶ後に知ったのですが、このページは2014年11月ごろにも就活のサイトに知らないうちに取り上げられていて、Twitterでも少し話題になっていたようです。実用性があるとは思っていなかったので驚きました。ファイル名の「excuse.html」が示すとおり、悪いことを無理矢理良いことのように言い繕う、そこにおかしみを感じてもらえればそれでいいと思っていたので…。
中将:なんでもやや強引に「猫みたい」に押し切ってる感じがたいへんユニークですが、この表現を思い付かれたきっかけについてお聞かせください。
すとう:猫が猫というだけで何をやっても許される風潮を表現しました。猫の特徴の中から、人間だったら欠点になりうる部分を選んで、「猫みたい」へ逆算的に言い換えています。もっとも、猫という生き物に深い畏敬の念を抱いている人々でないと、「猫みたい」を無条件に長所と捉えることは難しいかもしれません。サイト名が「ねこいりねこ」だし、猫関連のネタをたくさん載せているので、そういう意図であることは少なくとも伝わるのではないかと思いますが。
また、「それらの欠点は猫だから許されるのであって、人間がそこだけ猫みたいでも許されず、ましてや長所になどならない」という意見には全面的に同意します。
中将:今回のSNSの反響についてご感想をお聞かせください。
すとう:いつも、日本で4、5人に伝わればそれでいいと思って物を作っているので、たくさんの人に見てもらえるのはとても有難いです。
なお、とあるマンガのセリフと一部重複する内容があるようですが、参考にしたということはありません。前述のとおりこのページは2008年、そしてそのマンガのそのエピソードは2014年の発表なので、参考にしようと思っても不可能です。残念ながら公開当時ではないのですが、Internet Archiveに2010年のコピーが保存されていました。(※参照 https://web.archive.org/web/20100705162444/http://homepage.mac.com/catincat/information/excuse.html)
たしか2012年にサイトを移転したので今とURLが違います。
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「ねこいりねこ」
URL:https://catincat.jp
「短所を長所に変える辞典」
URL:https://catincat.jp/information/excuse.html
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「ねこいりねこ」には今回ご紹介した「短所を長所に変える辞典」以外にも古文変換サービス「古文にする」など膨大なコンテンツがある。一生遊んでいられそうなバラエティの豊富さなのでご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。