「冷蔵庫のアレ、いつ使うの?」調理師の妻VSミニマリストの夫…熾烈な“勝負”描く漫画、実は超お役立ち!

金井 かおる 金井 かおる

 「冷蔵庫には使い切れないアレたちが、いろいろと静かに眠っているのです」ーー焼肉のタレ、ナンプラー、柚子胡椒など、冷蔵庫の中の調味料を使い切るために試した料理の数々を紹介するグルメエッセー漫画「冷蔵庫のアレ、いつ使うの?」(山本あり著、幻冬舎コミックス)。

 著者の山本さんは結婚3年目の漫画家。高校時代に調理師免許を取得したほど食べることが大好き。一方ダンナさんは必要最低限の物で暮らす「ミニマリスト」気質。冷蔵庫にスペースが空くと幸せそうな表情を浮かべるほどです。

 「この調味料とか食材とか、いつ使うの?」というダンナさんに対抗し、山本さんはおつまみやおかず、スイーツなど、さまざまなジャンルの料理をダンナさんと一緒に試します。ひとり暮らし歴の長かったダンナさんは、既成概念にとらわれない料理のアイデア出しが得意。山本さんは「こうきたかー!!」と驚かされることも多々あるといいます。

 第1話は「焼肉のタレは万能調味料」。使い切りたい食材と調味料は、消費期限が本日中の鶏肉と焼肉のタレ、ダイコン、ショウガひとかけ。話し合いの末、メニューは唐揚げとダイコンの味噌汁に決定します。

 2人で台所に立ち、完成後はハイボールで晩酌しながら、話題はお互いの実家の調味料の話へ。片や万能調味料はあまり使わない家庭、片や煮物は全てめんつゆで味付けする家庭。2人の食卓を覗いていると、料理は正解不正解ではなく、作り手の数だけ調理法や味があるからおもしろいとあらためて気付かされます。

 そんな2人から生まれた「思いつきレシピ」について、山本さんは自身のブログの中で、「焼き肉のタレを使って唐揚げ、日本酒を使ってプリン、茶葉で燻製鮭、柚子胡椒で鶏ハム、梅仕事で余った調味料でいなり寿司などなど。日々、色々作った中での厳選なので全部オススメです!!」と熱く語っています。

▽「冷蔵庫のアレ、いつ使うの?」山本あり著、幻冬舎コミックス、1100円(税抜き)、目次:プロローグ/第1話 焼肉のタレは万能調味料/第2話 お得な6缶パック/第3話 秋鮭の燻製、換気扇は「強」でね/第4話 スダチ、どうする?/第5話 日本酒は飲みすぎちゃうね/第6話 いつものカレーと違うんだよ/第7話 古漬、使ってもよくない?/第8話 梅仕事を分かってないわね/第9話 さよなら、柚子胡椒

農林水産省「早めに食べるようにしましょう」

 白状すると筆者も、調味料を最後まで使い切れないことが多々あります。いつの間にか賞味期限が過ぎてしまい、ごめんなさいと処分することも。

 農林水産省のホームページでは、「消費期限も賞味期限も、袋や容器を開けないで、書かれた通りに保存していた場合の安全やおいしさを約束したものです。一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう」としています。

 わが家の冷蔵庫には今も、コチュジャンや豆板醤、去年の夏のそうめんの束までもが熟睡中…。山本さんのひらめきを見習って、早めにおいしく消費します。

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