こんなに広い秋田県…「人口は千葉市より少ない」ですって!? “人口減少”の実態を可視化した図が話題

中将 タカノリ 中将 タカノリ

昨年までに7年連続で人口減少率1位となるなど深刻な過疎化に陥っている秋田県

今、SNS上ではそんな秋田県の人口減少の実態を可視化した図が大きな注目を集めている。この図を制作したのは秋田県にお住まいの「こんでんえいねんしざいほう」さん(@hiroju5555)。

秋田県の面積は東京都、埼玉県、千葉県の合計面積とほぼ同じというほど広大なのに、その人口は94.8万人で、千葉市の98.2万人よりも少ない。この圧倒的な人口密度の違いに、SNSユーザー達からは「秋田県出身からしたらとてもわかりやすい‼︎とか言いながら秋田から出た身としては心苦しいですが…やはりもう少し働く場所、賃金が高ければ迷わず戻るのですが…」「確かに秋田の人口の減り方もヤバいけど、そもそも関東に集中し過ぎなんだよな、、そういう一極集中苦手やわ……。」「コミケの1.264倍しか人居ないのか....地方大変ですね...」など数々のコメントが寄せられている。

図を制作した「こんでんえいねんしざいほう」さんにお話をうかがった。

中将タカノリ(以下「中将」):今回の図を作ったきっかけをお聞かせください。

こんでんえいねんしざいほう:生まれも育ちも現住所もずっと秋田なのですが、高校時代から超がつくほどの地図オタクで、地図帳後ろの都道府県別市町村人口一覧を見ていたら、「ん⁉︎千葉市と秋田県同じくらい?」と気付いて作りました。

中将:ご投稿に対しさまざまな意見が寄せられていますが、反響へのご感想をお聞かせください。

こんでんえいねんしざいほう:さまざまな意見が来ているようですが、とりあえず多くの人に議論してもらうのが、過疎化が進む秋田にとって大切かなぁ…と。特に都会の方が秋田を話題にされる事はほとんどありませんから…(笑)。ネットの皆様に秋田について興味を持ってもらえた事自体は良かったです。

   ◇   ◇

「秋田は人口は少ないかもしれませんし、人口減少率と高齢化率はワーストとあまり良い話題がないですが、観光するならこんな食べ物も温泉も良いところないので、コロナ終息したら是非お越し下さい!」と「こんでんえいねんしざいほう」さん。

話題の図について秋田出身の女優、モデルのTOMOさんにもお話をうかがった。

中将:TOMOさんが秋田から上京されたのは何年前ですか?

TOMO:7年前です。実は去年のコロナ禍になる前、実家の雪寄せ(雪かき)が大変かなと考えて4年ぶりに帰省し、東京へ戻ったものの忘れ物をしてしまったのでまた引き返し…としてるうちに緊急事態宣言になってしまったので今は秋田にいるんです。

中将:それは大変でしたね! でもつい最近行き来されてるので、その分リアルに秋田と東京の違いがわかるかもしれません。上京された頃、東京と秋田を比較してどんな印象を持たれましたか?

TOMO:学校を卒業してすぐ上京したのですが、まず人の多さに驚きました!

次に電車! 高校の時は電車通学だったのですが、私が使用していた駅は本線が2つあるので、行き帰りもホームが同じなんです。

上京した時の就職先は東京都二子玉川駅で、寮は神奈川県藤沢市の善行という駅にあったんですが、なぜか行きより帰りが倍以上かかるんですよ。なぜ、帰りはこんなにも長くかかるんだろうと不思議に思っていたのですが、母が遊びに来た時に教えてもらい解決しました。私は行きも帰りも同じホームで電車を待っていたんです…。

中将:秋田と東京の大きな違いに気付かれたと(笑)。

TOMO:通勤ラッシュ、退勤ラッシュも初めて見ました。秋田では各駅停車、こまちしか乗った記憶が無いのですが、東京には特急、準特急、あとは通勤用などいろんなタイプの電車がありますよね。それに秋田の電車は1、2両くらいが多いんですが、14両とかでびっくりしてしまいました。

あと、似ている地名が多いとも感じてます。妹に「原宿に行きたい」と言われて「任せて!」と案内したんですが、着いたのは新宿…妹には悲しい思いをさせてしまいました。2人で駅のホームを出て、出口が多いこと、駅が広い事、駅中に飲食店があることにも驚いてしまいましたが、特に驚いたのはビル!「こーんな大きなビルみだごどね〜!」と口をぽかーんとしてました。

中将:今回話題の図をご覧になった感想をお聞かせください。

TOMO:わかりやすくて地理が苦手な私にもすぐに理解できました! 何年か前、「秋田県の人口が100万人切った」と聞いた時はいまいちピンとこなかったんですが、「わあ! 千葉市より少ないんだ!?」って。

久しぶりに帰省した秋田県は、シャッター街や空き家が増えていてなんだか寂しく感じていました。千葉市より人が少ないんだもの、空き家も増えますよね…。

中将:故郷がさびれていくのは悲しいですよね…。TOMOさんにとって秋田の魅力とはどんなところでしょうか?

TOMO:少ないかもしれませんが、秋田県には素晴らしい場所や名物があります。個人的に大好きなのは、日本一深いと言われる冬でも凍らない神秘的な湖「田沢湖」、秋田内陸線沿線でおこなわれている「田んぼアート」、人気があってすぐに完売してしまう「ごま餅」…他にもなまはげや、全国花火競技大会「大曲の花火」、地元ヒーローのネイガー様が話す自動販売機も面白いです。

あと、実家の近所には安くて美味しいソフトクリーム屋さんもあって個人的に気に入ってます。

中将:秋田を盛り上げるにあたり、なにかアイデアはありますか?

TOMO:私、東京ドームシティによく行くんです。ラクーアスパという温浴施設に友達と泊まって女子会して、朝方までお湯に浸かりながら話したり。東京ドームシティには他にも遊園地、飲食店街、フィットネス、劇場…もちろん東京ドームもあって、いろんな年代、趣味の人が楽しめます。もし秋田県でもこういった施設が増えれば、若者が出なくなったり、スポーツ好きの人たちで活性化されるんじゃないかと感じます。

あと、シャッター街のシャッターに秋田らしいイラスト、アートを施したり、昔ながらの街並みをシックで上品に演出するなど、綺麗な街並みを作るよう心がければ観光に来られる人が持つイメージももっと良くなるんじゃないでしょうか。

秋田は雪が多いので雪寄せなど大変な事もありますが、雪国ならではの文化や自然の魅力があります。今はコロナ禍なので大きなことをするのは難しいかもしれませんが、逆にゆっくり秋田県を活性化する方法を考えられる良い機会かもしれませんね。

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▽「TOMO」さん関連情報

Instagramアカウント:https://www.instagram.com/totem1124/
Twitterアカウント:https://twitter.com/tomo61akt

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秋田県など、関東から離れた都道府県の人口が減少しつつあるのは、現在の日本社会の構造上の問題でもあり、けっしてその地域に魅力が乏しいからではない。東京一極集中の是正が唱えられて久しいが、ぜひとも早期に具体的な解決策が見出されることを願いたい。

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