洗濯機や流しに貼られたスーパーの大売り出し風のポップ。そこには…
「洗濯物一掃SALE 在庫限りの洗い尽くし!!
洗うから畳むまでの工程込みでこのお値段 洗濯 1点につき29円」
「冬の大感謝祭 今月限り
水道水が冷たいこの時期に 食器洗い 1皿54円」...
食事の後の皿洗い(洗って乾かしてしまう)に、洗濯物(を干して取り込んでたたんで、しまう)、お風呂(の湯沸かし入って掃除する)…。生きている限り、続く「家事」というお仕事。なのに、なかなか評価されない、このつらさ…。しかし今ネット上では、ある男子大学生が考案した、主婦や主夫ならずとも全ての人たちを救う、こんな楽しいアイデアが話題を集めています。
投稿したのは、同志社大3年で、社会学やメディア学を学ぶsora.F(@13237sora)さん。洗濯機やシンク、浴室の扉にこのスーパーのポップ風の価格表を貼り付け「家事を遂行すると報酬がもらえるシステムを導入したんだけど、ちょっと楽しくなったしお得感がすごい」というつぶやきに、わずか1日余りで12.4万以上のいいねが寄せられ「食器すぐ溜めちゃうからすぐ使わせていただきます!」「す、すごい遊び心だ…」などと、感動の声が続々と寄せられています。
sora.Fさんに聞いてみました。
-なぜこの家事料金ポップを作ろうと?
「大学で一人暮らしを始めて3年が経ち、最近は家事への楽しさが見出せなくなっていました。そこで、『何かモチベーションを上げる工夫は出来ないだろうか』という課題を自ら立てて考えたのがこの案です。『家事の手伝いをした子供に対して報酬を与える』という伝統的な手法を、自分自身に対して使う=家事を遂行した自分自身に“ご褒美”として報酬をあげるシステムにしようと思いました」
-スーパー風というのがまた…!ちゃんとバーコードも付いてるんですね。
「どんな家庭でも使えるように一般化し、視覚的にも面白く、かつ“お得感”を得られるものを-という点にこだわりました。表現方法を幾つも考えた上で、最終的にこの形になったんですが、スーパーは家事との親和性も高いですし、主婦(主夫)の方たちにもウケるのでは…と考えました」
-念のためですが「54」はゴシゴシ、「249」は入浴、「29」は服…ですよね?
「おっしゃる通り、単なる語呂合わせです(笑)。29=服、54=ゴシ、545454545454=ゴシゴシ……。249は入浴で、26は風呂です。風呂の18~22時がタイムセールなのは、ついついお風呂に入るのが遅くなってしまうクセを改善するためのシステムです(笑)」
「家事労働に対する価格設定はなかなか難しくて、大学生が独断で決めて発信する訳にもいかないな…と考えました。とはいえ何らかの形で家事の労力を可視化したい。そこであえて値段を語呂合わせにして、あくまでネタであると分かりやすくした というのが本音ですね」
-大きな反響を呼んでいます。
「Twitter上のお母さま方からは『強気な価格設定』『是非取り入れたい』などの声を頂き、とても嬉しかったです。賃金労働として可視化されない家事の労力について、再考するきっかけになればいいなと思います」
このポップを張り出した結果、「昨日は、しっかり22時までに入浴できましたし、皿洗いもその日のうちにできました」とsora.Fさん。「一人暮らしを始めてから、母の偉大さを知りました。全てのお母さまに感謝です。家族みんなで家事を分担する社会に一刻も早くなればいいですね……私も意識して生きます!」と話してくれました。
こちらのポップはコンビニのネットワークプリントでも印刷出来る(ユーザー名:EM8EZDFTCH、2月4日16時ごろまで)そう。これは…家族そろって“家事劣等生”な我が家も早速、導入します!!