1本1000円とお安くないが、ねっとり甘くあと味スッキリ、しかも皮まで食べられる…
北海道釧路市で栽培される高級バナナ「946BANANA(くしろばなな)」が大きな注目を集めている。
バナナの産地と言えばフィリピン、台湾など南国が思い浮かぶが、なぜ日本でも特に寒冷な釧路で栽培されることになったのだろうか?しかもそれが美味しくハイスペックなのはどうして?
946BANANAを生んだ946FARMS株式会社の菊池代表らにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):「946BANANA」のバナナとしての特徴についてお聞かせください。
946FARMS:この地ならではの夏でも熱帯夜にならない寒冷な気候と栽培技術が生んだ甘みが特徴です。個体差はあるものの、平均糖度は一般的なバナナの1.5倍となっています。栽培中に農薬や化学肥料を使用せず、皮も薄いためまるごと食べられます。
中将:まるごと食べられるというのが凄いですね。
946FARMS:グロスミッシェル種という皮の薄い品種なんです。
風味が良くかつては主流だったのですが、疫病の影響で作付が激減してしまった品種です。946バナナは、植物が本来持っている能力遺伝子を呼び覚ます技術により、旧来のグロスミッシェル種よりも濃厚な香り、強い甘み、生命力の強いバナナへと進化させました。医療関係者も「946バナナの葉っぱには知られざる栄養価があるかもしれない」と研究中なんです。
中将:釧路でバナナ栽培をされようと思ったきっかけをお聞かせください。
946FARMS:最初のきっかけは、長年携わってきた酪農の牛の餌と、餌に関係するコストを抑えるためでしたが、それが農業の明るい未来への架け橋となりました。環境や地域社会に配慮したエシカル消費を意識する人が増えてきた昨今、1本1000円という価値は、味や栄養価だけでなく、自然環境や社会問題の解決にも繋がることがわかり、バナナがきっかけで農業に変革を起こすようなプロジェクトが始まりつつあります。
中将:栽培を始めるにあたりこだわった点をお聞かせください。
946FARMS:地下250mからくみ上げた釧路湿原の地下水を使い、農薬不使用栽培で虫取り含め全て手作業でおこなっています。
釧路は夏でも熱帯夜になることがなく、24時間内で寒暖差を人の手を加えることなく自然に演出できるのが強みになっていると思います。
中将:オーガニック志向で手をかけて作っておられると、ご苦労もあるのではないでしょうか?
946FARMS:苦労しているのは、思っていたより成長が緩やかなことです。今回の収穫も、そもそもは昨年12月に実る試算だったのですが、ちょっとした天候や温度変化により2月頭の収穫見込みになってしまいました。ですが薬を使って成長を追い立てたりすることなく、バナナに寄り添って丁寧に育てていきたいと思っています。
中将:これまでの反響へのご感想をお聞かせください。
946FARMS:大変有難いことにTV、新聞、インスタなどをご覧になってのお問い合わせが増えています。口コミで946バナナを知り、一株分を予約注文くださっている方もいらっしゃいます。
また口にされた方からは「1才半の女の子が、946バナナを初めて食べた次の日にいつものバナナを食べてくれなかった」「バナナが好きではなかった男の子に輪切りの皮付きで出したところ、臭いを嗅いで、手に取り、皮ごとパクパク食べてしまった」などのお声をいただいています。
私達の"農業の明るい未来への思い"にご賛同くださっている方々の存在をバナナ達に伝えつつ、これからも丁寧に栽培していきたいと思います。
「946FARMS株式会社」概要
所在地:北海道釧路市新野189-4
公式サイト:https://www.946banana.jp/
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/946banana/
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946バナナは現在、北海道を中心に流通しているが、近く通販サイトがオープンし、全国から手軽に購入できるようになるそうだ。
バナナにつまった北の大地の恵みと946FARMS株式会社のみなさんの熱い思い、ぜひ一度味わってみたいものだ。