96年広島ドラ1右腕・長谷川さん、グラブ修理のスペシャリストに「野球への恩返しを」

あの人~ネクストステージ

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 96年に広島にドラフト1位で入団し、通算42勝を挙げた長谷川昌幸さん(43)。2011年に現役を引退し、現在はイオンモール広島府中(広島県府中町)にある「スポーツオーソリティ広島府中店」に勤務している。プロ経験を生かしたベースボールアドバイザーとして接客や商品の仕入れを担当。傷んだり使い古されたグラブが持ち込まれると、店内のミシンを器用に操り、修理も行う。

 昨年11月にはミズノ公認グラブ修理の資格(リペアーマン)の中でも最高ランクの「エキスパート」に合格した。「グラブも年々高価なものになっているので、古くなったからといってすぐに新しいものを買うのではなく、少しでも長く使ってもらいたいという思いで修理させてもらっています」。日々進化する野球用具についての勉強も欠かせない。

 現役時代は広島とオリックスでプレー。広島時代の02年には13勝を挙げた。16年間の現役生活を終えたのは11年。引退後は広島市内で鉄板焼き店と輸入ブランド時計の代理店を経営。その後、保険会社の営業職に就いた。転機が訪れたのは15年夏。スポーツオーソリティ主催の野球教室の指導を頼まれ、久しぶりのカープのユニホームにそでを通した。「久しぶりに太陽の下で汗をかいて、すごく気持ち良かった。普段はネクタイ姿でなかなか体を動かす機会もなかったので、とても新鮮で心の底から楽しいと感じたんです」。翌春、スポーツオーソリティを全国展開する(株)メガスポーツに入社し、広島府中店に配属された。

 「引退後に就いた仕事は、今から思うと本当に自分のやりたいことではなかった。ずっと野球しかしてこなかったので、引退後に自分のやりたいこと、自分のできることがよくわからなくて、周りから言われるままに『とりあえずやってみようか』という感じで始めたんです。でも、野球教室を手伝って、やっと自分のやりたいことが見つかりました」

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