「思想の浅さを知られたくなければ、難解な表現を多用すれば良い」…インテリぶった人がドキッとしそうな名言が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

「水の深さを知られたくなければ、水を濁らせるのが一番簡単。思想の浅さを知られたくなければ、難解な表現を多用すれば良い」

インテリぶって難解な表現を多用するのが好きな人というのは一定数いるものだが、今SNS上ではそんな人々がドキッとしそうな名言が大きな注目を集めている。

「ある有名な先生」の言としてこれを紹介したのは和光大学現代人間学部などで非常勤講師を務める伊藤克彦(いとうかつひこ)さん。

伊藤さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは「そして、水が存在することすら判らないくらい透明度が高くなれば、それはそれで深さがわからなくなるのですね。濁って底が見えないより、本当は深くても透明でありたいです。」「逆に、その分野の最先端の、一番わかっている人(はやぶさ2のプロマネとか、ノーベル賞受賞者とか)の解説は、本質を平たい言葉で漏れなく解説していて、とってもわかりやすかったりする。」「でも、頭が良いほどに透明度が高い気がする…。職場の某有名大学出の人は難しい言葉とか使わずに、いつも分かりやすく端的に説明してくれるから、頭の良い人はこういう方を指すんだなって思った。」「なるほど、カタカナ語を乱用する意識高い系はお察しということか」など数々の共感のコメントが寄せられている。

伊藤さんに話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):伊藤さんは大学にお勤めとのことで論文やレポートなど目を通される機会が多いと思いますが、難解な表現を多用した文章にはよく遭遇されるのでしょうか?

伊藤:学生のレポートにはそれほど感じませんが、研究者や専門家の論文ではよく見かけます。

中将:僕の大学時代にも文学の研究者なのにめちゃくちゃ読みにくい難解な文章書く人がいましたね…。伊藤さんはそういった文章を書かれる方たちに共通点はお感じになりますか?

伊藤:ちょっとカッコつけたい気持ちが感じられたり、難しい表現を取り除くと意外に単純な理屈を言っているような印象を持つときがあります。

中将:あまり見習いたくないですね…。読者のみなさんに向け、会話や文章を書く上での心がけをアドバイスいただけないでしょうか?

伊藤:自分がきちんと理解できていない言葉や表現を使わないことですね。

伊藤克彦(いとう かつひこ)さん
和光大学現代人間学部などで非常勤講師を務める。
法哲学の問題に対して分析哲学的な手法でアプローチする研究を手がける。
reserchmap:https://researchmap.jp/wishmountains

 ◇ ◇

言葉は相手に伝えるためにあるもの。難しい言葉や言い回しを多用するのは本人にとっては気持ちいいかもしれないが、それで伝えたいことが相手に理解されなかったら本末転倒。日ごろ無用の難解な言葉を使ってしまっていないかよくよく省みたいものだ。

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