「先生」…この名字、読めますか? 「せんせい」ではありませんよ…古くからある読み方があるんです

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「先生」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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「せんせい」としか読みようがないように思えるが、それでは難読ではない。これで、「せんじょう」と読む難読名字だ。

今では、「先生」は「せんせい」と読んで基本的には学校や塾などの教師のことを指す。また弁護士などの士業の方も「先生」と呼ばれることが多い。そのため新しそうな言葉に聞こえるが、「日本書紀」に「自ら周孔の教を南淵先生の所に学ぶ」と出てくるように、かなり古くからある言葉で、かつては「せんじょう」と読んだ。

また、東宮に仕えた舎人(とねり)のうち、武器を帯びて身辺の警護をした官人を帯刀(たちはき)といい、その長官を「先生(せんじょう)」といった。源平合戦で源義経に先駆けて京を制した木曽義仲の父の源義賢は、近衛天皇の東宮に仕えて「帯刀先生義賢(たてわきせんじょうよしかた)」と呼ばれていた。

「先生」という名字はこのどちらかに由来するものだろう。現在は静岡県の静岡市や牧之原市にみられる。

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