世帯当たりのパン消費量が全国の県庁所在地や政令市で上位に入る京都市。「さすがパン好きの街」と思わせるシンボルが、京都市中心部の地下鉄烏丸御池駅(中京区)の構内にあります。それは、なんとパンの自動販売機。定番のパンのほか、あのフランスパンの丸形サンドイッチ「カルネ」も買えるんです。
パンの自販機は、地元パン店チェーンの志津屋(京都市右京区)が2019年9月に設置しました。自販機が置かれている場所には以前、パンを対面販売する店舗を構えていましたが、営業時間が午前11時~午後1時と午後4時~6時と限られていました。自販機を導入したことで、早朝から深夜までの営業が可能となりました。
2台の自販機では延べ30種類のパンを売ることができます。志津屋の看板商品「カルネ」のほか、サンドイッチ類、定番のメロンパンやあんパン、クリームパンがあります。さらにはバウムクーヘンやどら焼きの菓子類も陳列されています。
ちなみに、カルネは円形のフランスパンにハムとタマネギを挟んだサンドイッチです。自販機ではベーシックな「京かるね」と黒こしょうマヨネーズを使った「ペッパーカルネ」が購入できます。
さて1日約2万5千人が利用する烏丸御池駅にある自販機ですが、時間帯によって売れ行きの違いはあるでしょうか。
志津屋によると、午前中はサンドイッチがよく売れ、午後になるとパン類が売れるとのこと。午前は朝食や昼食用に購入する人が多く、それ以降になると翌朝用のパンを買う人が多そうです。
実は、御池駅には地下1階にも志津屋の有人店舗を持っています。地下1階の店員が、地下2階にある自販機の商品の売れ行きを見ながら、1日5、6回補充しているそうです。
取材していると、3人組の女性グループが自販機に向かって行きました。「珍しいね」「ここにあったら便利やわ」などといいながら「ビーフカツサンド」と「たっぷりクリームパン」を購入していきました。
パンの自販機は、通勤・通学の人に限らず、物珍しさから観光客にも人気のようです。自販機の営業は午前6時半ごろから終電まで。ただし、売り切れの商品が出る場合もあるので注意が必要です。