京都の雪景色、プレミアム化してる? この冬はたくさん降るかも...

辻 智也 辻 智也

 冬の訪れを告げる雪虫がふわりふわりと飛び交い、もうすぐ京都の街にも雪の便りが届く季節だ。それほど雪の多くない京都でも「昔に比べると雪は減った」という声をよく聞く。地球温暖化の影響で雪も少なくなっていると思いがちだが、実際はどうなのだろう。

 気象庁のデータによると、一冬に雪が降った日の数「雪日数」の2011~2020年(各年とも前年秋~当年春)平均は、京都市27.6日、滋賀県彦根市32.8日、京都府北部の舞鶴市58.6日だ。

 昔はもっと多かったかというと、そうでもない。高度経済成長前の1961~1970年の平均は、京都市30.6日、彦根市39.5日で、近年はやや減った程度だ。同じ期間の舞鶴市は50日で、むしろ最近の方が多い。雪が減ったと思い込んでいるだけなのか。

 もう一つのデータ、一冬に積もった雪の合計「総降雪量」を見てみる。京都市は1961~1970年の平均が17.1センチ、2011~2020年の平均が13.1センチだが、各年代で増減を繰り返しており、何とも言えない。

 ただ、日本海側で同じ期間を比べると、舞鶴市は210.9センチから122センチ、彦根市は151.5センチから81.3センチと、半分近く減っており、「降るけれど積もらない」という状況になっている。

 京都地方気象台は「京都や舞鶴など局所的な傾向や原因分析は難しい」とするが、西日本の日本海側(滋賀県~熊本県)は長期的にみると顕著な減少傾向を示しているという。温暖化が原因の可能性があり、気象庁は将来の総降雪量の見通しについて「温暖化が進めば、雪が雨として降り、積もっても解けやすくなる」と、減り続けると予測している。

 しかし、大雪や雪害のリスクが減ったわけではない。最も雪が積もった深さ「最深積雪」を見ると、2020年までの60年間の1位は、京都市が2015年1月3日の22センチ、舞鶴市は2012年2月2日の87センチで、いずれも最近10年間に記録している。

 気象庁は、温暖化によって大気中の水蒸気量が増えることで、極端な降雪の日が増える可能性を指摘している。つまり、強い寒気が入れば、一度に「ドカ雪」になるということだ。

 では、今年の冬の雪はどうなりそうか。気象庁は、ラニーニャ現象のため降雪量は「西日本日本海側で平年並みか多い」と予想する。京滋の初雪平年日は、彦根市が12月13日、京都市が12月15日。本格的な冬の訪れはもうすぐだ。

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