関西国際空港へ乗り入れる南海空港急行、表示器の飛行機マークは? 芸の細かさ「さすが南海」

新田 浩之 新田 浩之

2023年11月に京急のエアポート急行が廃止され、単なる「急行」になりました。エアポート急行では種別表示器に飛行機マークがありましたが、2023年11月以降は羽田空港行きにのみ、行先表示器に飛行機マークを表示するようになりました。

一方、関西国際空港へ乗り入れる大手私鉄といえば南海電気鉄道です。南海は空港急行を運行していますが、表示器に飛行機マークはあるのでしょうか。

空港急行の概要

空港急行は難波~関西空港間を結び、特急「ラピート」と同じく空港アクセスを担っています。同時に南海本線の主要駅に停車することから、沿線住民にも利用されています。車内は基本的にロングシートとなり、ラピートとは異なり、特別料金は必要ありません。

京急のエアポート急行は急行に変わりましたが、停車駅に変更はありません。一方、空港急行は南海本線難波~泉佐野間にて、急行と停車駅が異なります。異なる点は空港急行は春木に停車しますが、急行は通過します。

そのため、空港急行が春木通過にならない限り、京急のように急行に改称することは考えづらいです。

空港急行の飛行機マークはどこにある?

空港急行にも飛行機マークがあります。3000系の空港急行関西空港行きでは、種別幕(種別・行先表示幕の種別側)に小さく飛行機マークが描かれています。側面の種別・行先表示幕も同じです。

一方、種別表示器と行先表示器が分離されている1000系では、行先表示器に飛行機マークが描かれています。京急の飛行機マークと比較すると、南海の飛行機マークは小さく、しっかりと表示器を見ないと気付かないでしょう。

反対に空港急行難波行きには飛行機マークがありません。関西空港行きにはあって、難波行きにはない。このあたりの芸の細かさは、さすがは「普通」と「各駅停車」を使い分ける南海といった感じでしょうか。

ところで、京急の急行は羽田空港~都心方面、羽田空港~横浜方面を結び、終着駅も多岐にわたります。エアポート急行時代、「品川」や「横浜」ならいざ知らず、都心の地名と比較すると認知度が低い「逗子・葉山」行きや「印旛日本医大」行きの場合、羽田空港方面行きと勘違いした誤乗があったかもしれません。

一方、南海の空港急行は難波~関西空港のみ。「難波」は訪日観光客にとっても馴染みのある地名ですし、京急と比較するとルートはシンプル。芸の細かい飛行機マークも相まって、誤乗は考えづらいと思います。

※2024年12月に河出書房新社から出版した『列車種別探求読本』は、このような列車種別にかんするトリビアが詰まった本です。お手に取って頂ければ幸いです。

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