榊原郁恵さん…インスタ動画で不思議な仕草が話題 新品の靴、午後おろす時に「ペッ、ペッ」

金井 かおる 金井 かおる

 女優の榊原郁恵さんが10月17日、自身のインスタグラムに投稿した動画が注目を集めています。榊原さんはお出かけ直前の玄関先で新品の靴を裏返し、靴裏にツバをかけるまねを何度か繰り返します。

 「『新しい靴は午前中に下ろしなさい!親から言われていた言葉。でも、どうしても午後下ろす時は…靴の裏を鍋底で擦るか 靴の裏にツバをかける真似をする 皆さんもそうします!?」(榊原さんインスタグラムから引用)

 榊原さんの投稿動画の再生回数は31.1万回を超え、「子どものころ親に言われました」「やってます!」「靴屋さんに言われました」「はじめて聞きました」「勉強になります」等、800件を超えるコメントが寄せられています。

 調べてみるとさまざまな方法があり、有名な童話作家の作品にも出てくることが分かりました。榊原さんご本人に伝えると、バリエーションの多さに「こんなこともするんだあ!」と驚いた様子でした。

あえて汚し、新品ではない状態に

 ツイッターで「新品の靴 おろす」「新しい靴 午後」などと検索すると、祖父母や両親から言われていたという話が大量に出てきました。いずれもあえて汚し、新品ではない状態にするという共通点がありました。一例です。

<祖父母や両親から言われた内容>
新品の靴は朝おろさないといけない、夕方や夜におろしてはいけない、新品の靴を夜におろすと縁起が悪い、家の中で新品の靴を履いてそのまま外に出ない、夜に靴をおろすとケガをする、事故にあう、夜靴をおろすとタヌキに化かされる、ヘビが来る、靴をキツネに持ち去られる

<午後おろすとき、靴裏にやること>
ツバを吐くまねを3回繰り返す、鍋底で汚す、鍋底でたたく、墨で塗る、灰やすすを塗る、ライターであぶる、油性ペンでバツ印を書く、土を塗る、塩を振る、家のトイレの床にこすりつける

 出身地や居住地は中部から四国、九州あたりが多かったのですが、東北や関東でも例がありました。

 多くの人が理由は分からないまま続けているようでしたが、中には「死者に新しい草履を夜履かせて出棺する習慣があるため、午後に新しい靴をおろす時は靴裏を汚してから履く」と理由を挙げる人もいました。

 また、「墨ないから油性ペンで書く」「かまどのススなんて家にないからお父さんのタバコの吸い殻塗った」等、時代とともに使用するツールが移り変わる様も見て取れました。

新美南吉の作品にも登場

 「ごんぎつね」「手袋を買いに」で知られる童話作家、新美南吉の作品の中にもありました。1942(昭和17)年、新美南吉29歳の時の作品「狐」です。祭りの夜、主人公ら子どもたちは新しい下駄を買いに行きます。すると下駄屋のおばあさんは「晩に新しい下駄をおろすと狐がつく。まじないをしてやろう」。マッチをするまねをして下駄の裏に触り、「さあこれでよし」と子どもに渡します。

靴売り場「印つける購入者いた」

 靴選びのプロとして長年、有名靴店のサロンマネージャーやスーパーバイザーなどを務め、現在は一般社団法人「足と靴と健康協議会」事務局長で上級シューフィッターの木村克敏さんが個人的な経験談を教えてくれました。

 ――新品の靴は午後におろしてはいけない、という説があるようです。

 「個人的には靴売り場に勤務しているときに耳にしたことはあります」

 ――理由はご存じですか?

 「新しい靴をおろすのは午後やとりわけ夜は縁起が悪いと言われています。これは昔は夜間に野辺おくりと言われる葬儀が行われ、その際に新しい草履を捨てて帰ってくる習慣があったということです。これが『夜=死』という連想がなされ、縁起が悪いと考えられたのではないかと思います」

 木村さんは売り場でも実際に目にしたことがあったそうです。

 「靴売り場で午後に靴をおろす場合、靴底にマジックなどで印をつけるお客様は時々いらっしゃいました。恐らくこうすることで新しい靴ではないようにして縁起を担いだのではないかと思います」(木村さん)

榊原さん「びっくりしました」

 まいどなニュース編集部から榊原さんに事例の数々を伝えると「こんなこともするんだあ!」と大変驚かれ、「身についていた習慣だったので、何気なく動画をアップしました。こんなにたくさんの方法があることにびっくりしました」とコメントしました。

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