豊田真由子、欧州の新型コロナ感染再拡大は遠い国のことと考えないで…開発は簡単でないワクチン&特効薬

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

新型コロナウイルス感染症が、特に欧州で再拡大しています。今世界で、そして日本で、何が起こっているのか、そして、私たちがなすべきことはなにか、改めて考えてみたいと思います。

▽世界の状況は?

各国の人口100万人当たりの新規感染者数(直近7日間平均)の推移です。

ご参考まで、人口調整をしていない各国の新規感染者数(直近7日間平均)の推移です。

欧州での感染再拡大は、人々の緊張が大きく緩んでしまったこと、夏のバカンス(欧州では1~2か月間の休暇を取り、各地に出かける人が大勢います)での移動や、季節労働者の移動、再開した学校での若年層の感染増加、スポーツイベントや教会の集会等でのクラスターの発生等々、複合的な要因が指摘されています。欧州の人々は、元々マスクをする習慣がなく、マスク着用に抵抗感が大きいこと等も、マイナスに働いていると思います。マスクや規制反対のデモなども、各地で行われていました。

感染再拡大を受け、フランス、ドイツ、オランダ、ギリシャ、英国、ベルギー等が、夜間の外出制限や一部地域のロックダウンなどの行動制限を強化しています。フランスや英国の友人・研究者に聞くと、市民生活は、春ほどの混乱はなく、基本的には落ち着いているようでした。なるべく学校は閉鎖しない等、前回の教訓を踏まえた合理的な判断が加えられていることは、我が国も参考にすべきと思います。(あと、日本の教育行政(公立小中高)も、万一のときは、双方向のオンライン授業を行えるなど、新型コロナにきちんと対応できるように、していただきたいです!)

欧州では、春の流行時よりは、死者・重症者数が少ないと言われています。治療方法が判明してきたこと、早い段階で医療機関にかかり重症化を防ぐことができていること、感染が若年層中心で、検査拡大で軽症者も捕捉されていることなどが考えられます。

ただ、下記のように、このところ入院者数は増えてきており、地域によっては、医療の逼迫も懸念されています。

いずれにしても、こうした状況を、遠い国のことと考えず、我が国においても、引き続き、感染拡大防止策を講じていくとともに、万一、感染が再拡大した場合にはどう対応するか、ということを、国・地域・個々の国民の方が、落ち着いて考えておくべきだと思います。

政府内では、他国との往来を緩和する方向で検討が進められていますが、感染状況が悪化している国については慎重に検討する等、世界の感染状況に応じた柔軟な対応が求められます。

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