豊田真由子、欧州の新型コロナ感染再拡大は遠い国のことと考えないで…開発は簡単でないワクチン&特効薬

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

▽日本の状況はどうか?

日本の新規感染者数の3月からの推移です。

日本の死者数・重症者数の推移です。

感染者、死者・重症者ともに、更なる増加傾向となっていくかどうか、今後注視すべきと思います。

重症者・死者を出さないために、症状(及び悪化の可能性)に応じて、迅速・適切に医療機関につないでいくこと、また、医療機関が逼迫しないよう、適切な病床利用を徹底することが、引き続き求められます。

なお、一時期、インフルエンザとの同時流行(ツインデミック)の可能性が話題になりましたが、現時点までの季節性インフルエンザの流行状況(2020年10月19日~25日:全国報告数30、昨年同時期報告数:3,953)を見ると、ツインデミックについて、そこまで心配しなくてよいだろうと思います。新型コロナの感染防止対策を講じていることが、季節性インフルエンザを含めた他の多くの感染症の流行を抑えていることは、特筆すべきです。

一般に、呼吸器系ウイルスは、気温と湿度が低くなると活性化し、各地の研究でも新型コロナウイルスについて同様のことが示されています。そして、気を付けるべき点は、ウイルスの性質だけではなく、冬になると、寒くなって換気をしなくなる、喉や鼻が乾燥する、体力や免疫力が低下する、といったことだと思います。11月4日、タクシーで「マスクの着用を求め、病気など正当な理由なく拒否された場合には、乗車を断ることができる」というルールを国土交通省が認可しました。お互いを思いやることが社会に求められます。

皆様の間で「コロナ疲れ」が進んでいると思います。そうなってしまいますよね。自由を制限されている、これがいつまで続くんだろう…と悲観的に捉えるのではなく、今一度、自らと周りの方々を守る、ということの意味と方途について、お考えいただくとよいのかなと思います。

これまでの繰り返しになりますが、なにについても、過度におそれることはむしろマイナスをもたらすこともあると思います。日々の感染者数の増減に、一喜一憂する必要もないと思います。

国内では、飲食や観光業界など、ようやく人出が少しずつ戻ってきています。新型コロナウイルスによって、価値観や日常の過ごし方は大きく変わりました。「いつまで?どこまでやればいいの?」と不安であり続けるよりも、「新興感染症と生きる世界とはこういうものなんだ」と思い、感染や健康状態に気を付けながら、仕事や学校や余暇を、どのように有用に効果的に過ごしていくか、社会も個人も手探りで進めている努力を、引き続き落ち着いて、継続していくことだろうと思います。

なお、脳や心疾患、がんなどの手術件数が大幅に減少したという報告があります。新型コロナ感染症のほかに、深刻な病気は多くあり、治療の遅れが重篤化につながるおそれもあります。早期に受診をしていただく、そして、病院もコロナ禍でも通常の治療や手術ができるように、医療従事者の皆様の負荷に配慮しながら、皆が協力をしていかなければならないと思います。

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