父親はあの特撮映画を監督 『眠る虫』金子由里奈監督が語る、映画と自分

宮本 裕也 宮本 裕也

「私って、死について興味めっちゃあるんだな」と笑って話す金子由里奈さん。盗聴癖のある主人公が偶然出会った女性のストーキングを始める主人公を描いた『眠る虫』を監督した。

1995年東京生まれ。立命館大学映像学部卒。父親は『就職戦線異状無し』 (1991年)「ガメラ」シリーズを監督した金子修介。若干20代で監督、自主配給も行う『眠る虫』には彼女の死に対する考えがあった。

『眠る虫』は死と対峙した映画

「作る前は、お客さんの過去の体験をゆすり起こすような作品になればと思ってました。でも、例えば自分の大事な人が亡くなった時、この映画に救われると思う」。そういう金子監督は20歳で死を考えることがあったそう。時が経つにつれて「死を眠りに推移させて軽やかにしている」と話す。

過去作でもある『おいしいコーヒーの作り方』や『散歩する植物』なども登場人物には死がまとわりつく。「恋愛映画を作っても、亡霊とか出したがると思います。それだけ死が近くにありました」

小説家を夢見た小学生時代

小学生のころは小説家になるために、何篇も小説を書いていたという。瞬きと目を閉じる差異について考えた話や、ひたすら棒を書き続ける男を描いた「棒」など創作意欲はとどまることを知らなかったという。

ではなぜ映画を選んだのか。「本作も含めて幽霊や過去を現前させるのに映画は最適だと思ったんです。死の気配と向き合うことができると思いました」と話す。

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